2025-04-16 コメント投稿する ▼
障害者は支援の担い手から外されるのか? 災害対策基本法改正案に懸念の声広がる
障害者排除の懸念 災害対策基本法改正案に疑問の声
衆議院の東日本大震災復興・防災・災害対策特別委員会で4月16日、日本共産党の堀川あきこ議員が、災害対策基本法などの改正案について鋭く追及した。
焦点となったのは、新たに設けられる「被災者援護協力団体」の登録要件。現在の案では、心身に障害がある人が役員に含まれている団体は対象外とされる可能性がある。この点について堀川氏は「障害者を事実上排除する内容ではないか」と疑問を呈した。
坂井学防災担当相は「障害者の支援活動への貢献は否定しない。排除する考えは全くない」と述べ、必要であれば内閣府令での対応も検討する意向を示したものの、具体的な修正には踏み込まなかった。
「排除しない」としながら…現場との温度差も
今回の改正案に対しては、障害者団体からも強い反発が上がっている。日本障害フォーラムの大野健志氏は、参考人としての意見陳述で「このような規定は削除すべきだ」と訴え、他の団体も抗議の声を上げている。
また、れいわ新選組の木村英子議員も「インクルーシブ防災の理念に逆行する」として、障害者を“支援する側”として認めない姿勢に強く異議を唱えている。
能登半島地震の教訓と“広域避難”の課題
堀川議員はさらに、能登半島地震を例に挙げて、広域避難の現状についても言及。全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)の栗田暢之代表理事の「多くの課題がある」との発言や、災害派遣医療チーム(DMAT)の近藤久禎次長の「帰還できずに避難先で亡くなる人が出かねない」といった懸念を紹介し、政府に対し実態の検証を求めた。
これに対し坂井担当相は、「支援団体が地元と連携し、役割を徐々に移していくことが大事」と述べるにとどまり、詳細な対応策には触れなかった。
“誰ひとり取り残さない”理念はどこへ
改正案はこの日の特別委員会で、日本共産党を含む賛成多数で可決された。だが、当事者や支援団体からの不安の声がくすぶったままで、今後の法運用や省令での調整が問われることになる。
災害時こそ、誰もが支え合う社会が求められる。障害の有無にかかわらず、すべての人の力を活かす制度設計ができるかが、いま問われている。
SNS上の声
「障害者が支援の側に立つことを想定しないのは、もはや差別では?」
「インクルーシブ防災をうたうなら、こういう条項は最初から入れるべきじゃない」
「坂井大臣の『排除しない』って、なら要件を直せばいいのに」
「能登のような広域避難では、情報や福祉サービスが分断されがち。もっと実態を見て」
「こんな法律、現場で汗を流してる人たちに失礼すぎる」