2025-10-31 コメント投稿する ▼
堀川あきこ議員が国交省に要請 大津市通学路・神領陸橋の金網ネット撤去へ
問題となっているのは、JR東海が設置した金網ネットが、陸橋上で視界を遮っており、通学する児童・歩行者が対向車や周囲確認を十分行えない状況というものです。 国交省側の担当者は、JR東海が金網ネットの危険部分について「撤去に向けて大津市と協議を進めたい」「なるべく早く」という前向きな姿勢を示したと伝えられています。
危険な通学路 大津市・神領陸橋の金網ネットを国交省に要請
10月31日、衆議院議員の堀川あきこ氏(日本共産党)は、滋賀県大津市の通学路に関する安全性向上を求め、国土交通省(国交省)へ要請を行いました。林まり大津市議とともに、毎朝約200人の児童が通行するという通学路の陸橋上に設置された金網ネットについて、安全確保を訴えました。
現地状況と市の取り組み
問題となっているのは、JR東海が設置した金網ネットが、陸橋上で視界を遮っており、通学する児童・歩行者が対向車や周囲確認を十分行えない状況というものです。場所は大津市立瀬田南小学校付近、神領陸橋の通学路上であり、地域の住民・学校関係者から改善を求める運動が20年以上にわたり続いてきたとの報告があります。
また大津市では、平成24年度から「通学路合同点検」などを通じて学校・教育委員会・警察・道路管理者・地域関係者が毎年度協働で危険箇所の点検を実施しており、通学路安全対策のためのプログラムも策定されています。
要請内容と国交省の反応
堀川氏らは国交省に対し、
①金網ネットの「カット」も含めた視界確保
②JR東海・大津市と協議の上で迅速な改善策を講じること
③同様の危険箇所が全国に多数ある可能性を踏まえ、通学路全体への目配りを強めること
――を要請しました。
国交省側の担当者は、JR東海が金網ネットの危険部分について「撤去に向けて大津市と協議を進めたい」「なるべく早く」という前向きな姿勢を示したと伝えられています。
林市議も「これから撤去に向けて大津市と協議するということならばありがたい」と語りました。
課題と意義
この事案は、単なる一つの通学路の安全性だけでなく「構造・施設の設計が児童の通行安全を阻害している」典型的な例と考えられます。視界が遮られる陸橋において、走行する車両・歩行者・児童が互いに確認できないという状況は交通事故のリスクを高める要因です。
通学路の安全確保という観点で自治体・学校・道路管理・鉄道会社という複数主体が関与するため、調整・責任所在の明確化・優先順位付けが重要です。大津市が既に点検体制を敷いてきたことは評価できますが、今回のような長年継続する改善要望が具体的に動くかどうかが問われます。
筆者の視点:政府・自治体の姿勢が問われる
この件を通じて私が強く指摘したいのは、「児童・歩行者の安全を最優先に、施設・道路・管理体制を根本から見直す」という意識が公的機関にどれだけ浸透しているかということです。例えば、通学路において視界遮蔽が明らかになっていながら改善が20年以上も進まなかったという事実は、責任の所在の曖昧さと、児童の安全よりも維持管理コストや関係主体間の調整優先が優っていた可能性を示唆します。
また、鉄道会社が設置した金網ネットという施設が、通学路という公共性の高い空間において安全上の障害となっているなら、企業・団体の意思決定が市民の安全より上に置かれてきた構図とも言えます。政治・行政が「国民のための政治」を掲げるならば、こうした場面でこそ企業・団体献金への批判的視点や、公共交通施設等の安全義務を問い直す必要があります。
さらに、これは通学路だけの問題にとどまりません。全国的に「危険だけれど改善されていない通学路」があるという指摘がある以上、同種の事案が放置されている可能性があります。国交省・自治体は点検から実質的な改善実施へと減税優先、積極的な財政出動を行うべきです。物価高・暮らしの不安が高まる中、子ども・歩行者の安全という基盤が揺らいでいる事実に早急に対処すべきです。
今後の注目点
・JR東海・大津市・国交省間の協議の進捗状況と、金網ネットの撤去あるいは改修の具体的な時期・方法。
・改善が実現した場合、通学路上の視界確保という観点での他の類似箇所の把握・優先措置の展開。
・通学路安全対策として大津市が進めている合同点検体制が、地域・学校・親・児童の声を実効的に反映できているかの検証。
これらを注視することで、児童の安全確保と公共交通・道路インフラとの調整のあり方が、より明確になると思います。