2025-06-16 コメント: 1件 ▼
井林財金委員長に野党が解任要求 ガソリン税廃止法案めぐり審議拒否の矢面に
委員会の鍵握る井林委員長、攻防の最前線へ
今国会最大の争点のひとつとなっているガソリン暫定税率の廃止をめぐり、衆議院財務金融委員会の井林辰憲委員長(自民党)が政局の渦中に立たされている。
野党7党が共同で提出した「暫定税率廃止法案」は、7月1日からの適用を目指すものだが、井林氏は与党側の意向に沿って委員会の開催を見送っており、これに対して立憲民主党や日本維新の会、国民民主党などが激しく反発。ついには委員長解任決議案の提出を視野に入れるまでに至っている。
野党側は16日、井林氏に対し法案の審議入りを求める開会要求書を正式に提出した。しかし、委員長権限により開催が拒まれている状態が続き、「議会制民主主義の否定だ」との声が上がる一方で、与党内では「不完全な法案を無責任に通すべきではない」と井林氏を擁護する声も根強い。
「井林委員長がストッパーになってる構図、与党の本音が見える」
「開会拒否は国民不在の国会運営。議会を私物化するな」
「この人、前から政府寄りすぎ。委員長なら中立を貫け」
「解任されてもおかしくない。審議するだけでいいのに」
「与党の“盾”になってる感じで評価できない。説明責任を果たせ」
与党の「拒否」の矢面に立つ井林氏
井林氏は静岡2区選出の4期目議員で、もともとは地方財政や中小企業政策に明るいとされるが、今回のガソリン減税法案をめぐっては、委員長として“与党防衛の前線”に立つこととなった。野党側の要請を形式的には受理しつつも、実質的に委員会開催に応じない姿勢を取り続けている。
その背景には、与党内での「拙速な法案審議は混乱を招く」との強い警戒感がある。特に、自民党幹部らは「暫定税率廃止は財源を確保しなければ地方財政や道路整備に深刻な影響を及ぼす」としており、井林氏もこうした立場を代弁する格好だ。
また、自民党の森山裕幹事長も「唐突すぎる法案提出」と野党を非難しており、井林氏が委員長として議事日程を与党の方針に沿って調整しているのは党内の合意とも言える。
“審議拒否”か“議会運営”か 問われる委員長の資質
井林氏に課せられた役割はきわめて難しい。委員長職は本来、与野党を公正に取りまとめる調整役だが、現在は明確に与党寄りとみなされており、「委員長の資格なし」とまで批判される事態となっている。
立憲民主党の重徳和彦政調会長は16日の記者会見で、「井林氏は国民の負担軽減より、与党の都合を優先している」と痛烈に批判。日本維新の会の青柳仁士政調会長も「本当に委員会を開く気があるのか疑わしい」と語った。
一方、井林氏の周辺からは「法案の中身に恒久財源や制度設計が伴っていない以上、審議に入ること自体が無責任」との声もあり、単に“野党封じ”と片づけられない事情も見えてくる。
井林氏が抱える政治的リスクと責任
今後、野党側が本気で委員長解任決議案を提出すれば、井林氏は「議会運営の独立性を損ねた委員長」として国会で審判を受けることになる。形式上は過半数を持つ与党が否決できるとはいえ、解任動議の提出そのものが政権へのダメージとなるのは間違いない。
さらに、与党が年末の税制改正で“選挙向け減税”を打ち出す予定があることも、井林氏の姿勢に対する世論の反発を強めている。国民からすれば、「いずれ減税するなら、なぜ今やらないのか」「なぜ審議すら拒むのか」という疑問が拭えないからだ。
石油価格の高騰が家計を直撃する中、ガソリン税をめぐる攻防は単なる政策論争ではなく、政治家の「誰の側に立っているのか」を問う象徴となりつつある。井林氏に求められているのは、党利党略を離れた議会運営の中立性であり、それが今、厳しく問われている。