2025-04-07 コメント投稿する ▼
旧皇族の皇室復帰、今国会で法整備へ 麻生氏が強調 女系天皇には慎重姿勢
麻生氏は「早期に立法府の総意を取りまとめ、政府に提出、成立させるべく全力を尽くす」と力を込め、強い決意を示した。
皇室の未来をめぐるふたつの案
政府の有識者会議では、減少が続く皇族数への対応として、2つの案が提起されている。
- 婚姻後も女性皇族が皇室にとどまることを可能にする案
- 旧皇族の男系男子が養子として皇族に復帰する案
このうち後者、すなわち旧11宮家の子孫を皇族として迎える案について、麻生氏は積極的な姿勢を示した。戦後の占領下で皇籍を離れざるを得なかった旧皇族について、「現行憲法や皇室典範のもとでも、本来ならば皇位継承の資格を持っていた」と語り、その子孫が養子縁組を通じて皇室に復帰する道を法的に整えるべきだと訴えた。
女系天皇への懸念も
一方、麻生氏は女性皇族の婚姻後の身分保持案については一定の理解を示しつつも、「その配偶者や子どもが皇族になることは避けるべきだ」とくぎを刺した。皇室の伝統を維持する観点から、「女系天皇」への道が開かれることに慎重な立場だ。
専門家も復帰を支持
大会には保守系言論人の櫻井よしこ氏も登壇し、「旧皇族が皇籍を離れてからの60年や70年は、皇室の長い歴史の中では一瞬にすぎない。時間がたち過ぎたという議論はナンセンス」として、旧宮家の復帰を急ぐべきだと訴えた。
また、元内閣官房参与の谷口智彦氏も登壇し、「我々の祖先は、男系による皇位継承を維持するためにどれほどの努力をしてきたか。我々の代でそれを絶やすようなことがあってはならない」と、養子縁組による皇室復帰案の重要性を強調した。
与野党の歩み寄りなるか
今回の大会には、自民党のほか、立憲民主党、日本維新の会、公明党、国民民主党の代表も出席した。だが、皇族数確保の具体策をめぐる与野党間の議論は、依然として隔たりが大きい。女性皇族の地位や配偶者の扱い、旧皇族の復帰に関する歴史的・制度的な課題など、調整すべき点は少なくない。
政府・与党内では今国会中の意見集約と法案提出を模索しているが、現状では必ずしも楽観視できる状況ではない。とはいえ、日本の象徴たる皇室の未来を見据えた議論として、今後も注目を集めることは間違いない。