2025-10-07 コメント投稿する ▼
麻生太郎が副総裁に復帰 高市早苗新体制を支える「安定の重し」
麻生氏は政界で「調整役」として知られ、岸田政権でも副総裁として裏方に回り、数々の人事や政策の調整を行ってきました。 麻生氏が再び表舞台に立つことで、党内外に「安定と継続」の印象を与える効果が期待されています。 こうした人事のバランスには、麻生氏の調整が大きく働いたとみられています。 高市氏が初の女性総裁として船出するにあたり、麻生氏の存在は「党の屋台骨」としての重みを持っています。
麻生太郎氏、副総裁に再登板へ
自民党の高市早苗総裁は10月7日、新しい党執行部の人事を決定した。最大の注目は、麻生太郎元首相が副総裁として再び党の中枢に戻ることです。85歳の麻生氏は、これまで党内最大派閥「麻生派」を率い、長年にわたって政権の要を担ってきました。今回の再登板は、経験と人脈を生かし、党内をまとめる狙いがあると見られています。
麻生氏は政界で「調整役」として知られ、岸田政権でも副総裁として裏方に回り、数々の人事や政策の調整を行ってきました。高市氏にとっては、初めての総裁就任後という不安定な時期に、ベテランの支えを得たいという思いがあるようです。麻生氏が再び表舞台に立つことで、党内外に「安定と継続」の印象を与える効果が期待されています。
「党の結束なくして政権運営はできない」
「経験ある人の力を借りるのは自然なことだ」
「若い人材を引き上げつつも、基盤を固めたい」
「高市政権の立ち上げには支えが必要だ」
「自民党は一つにならなければならない」
これらの言葉には、党内の派閥や世代間の溝を埋めようとする高市氏の思惑がにじんでいます。
高市総裁、ベテランと若手を両立へ
高市氏は今回の人事で、党の「安定」と「刷新」の両立を図りました。幹事長には麻生派の鈴木俊一総務会長を起用。長く財政政策を担当してきた鈴木氏の起用は、経験豊富な麻生派を重視する姿勢を示しています。政調会長には小林鷹之元経済安全保障担当相を抜てきし、若手・中堅の登用で世代交代の意志を見せました。
萩生田光一元政調会長は幹事長代行として再び執行部入りします。旧安倍派の中核メンバーとして知られ、保守層に強い影響力を持つ萩生田氏を要職に据えることで、党内右派への配慮もうかがえます。こうした人事のバランスには、麻生氏の調整が大きく働いたとみられています。
麻生氏はこれまで、自らの派閥を通じて高市氏を支援してきました。総裁選の過程でも、党内融和の必要性を訴え、若手議員への助言を惜しまなかったとされます。高市氏が初の女性総裁として船出するにあたり、麻生氏の存在は「党の屋台骨」としての重みを持っています。
麻生流の“裏方政治”が再び
副総裁に戻る麻生氏の政治手法は、一言で言えば「現場重視」です。若手議員や地方支部への訪問を繰り返し、直接意見を聞く姿勢を続けてきました。派閥政治への批判が高まる中でも、彼が信頼を得てきた理由は、表に出ずとも地道に調整を続ける“裏方力”にあります。
今回の人事では、総務会長に有村治子元少子化担当相、選対委員長に古屋圭司元国家公安委員長、国対委員長に梶山弘志元経済産業相がそれぞれ就任する予定です。これらの人事も麻生氏が中心となって調整を進めたとされ、党内の意見を丁寧に取りまとめる手腕が再評価されています。
また、茂木敏充前幹事長や小泉進次郎農林水産相など、総裁選で競った議員を閣僚に起用する案も進められています。高市氏が対立候補の人材を登用する方針を取った背景にも、麻生氏の助言があったといわれています。かつて自らも総理として派閥間の軋轢を経験した麻生氏だからこそ、和解と安定を優先する判断を促した可能性があります。
安定政権への橋渡しなるか
高市政権は発足直後から内外の課題を抱えています。経済の立て直し、財政再建、安全保障など、どれも重いテーマばかりです。そこに麻生氏という大黒柱が加わることで、経験と人脈を活かした現実的な政策運営が期待されています。
一方で、長期政権を見据えるなら、若手への権限移譲も避けて通れません。麻生氏の存在が安定をもたらす一方で、「世代交代の遅れ」への懸念も残ります。高市氏がこのバランスをどう取るかが、今後の政権運営の試金石となりそうです。
麻生氏が再び政治の中心に立つことで、自民党は“重み”を取り戻したとも言えます。だが同時に、古い政治への回帰とならないかどうか。高市政権の真価は、麻生氏の支えのもとで新しい政治を形にできるかどうかにかかっています。