2025-11-23 コメント投稿する ▼
国民民主党沖縄県連代表・上里直司氏、来秋知事選「脱デニー」で辺野古容認路線
2025年11月23日に開かれた定期大会で、県内政治家として初の県連代表に上里直司那覇市議が就任し、来秋の沖縄県知事選では現職の玉城デニー氏以外の候補を支援する方針を鮮明にした。 国民民主党県連が23日、那覇市内で25年度の県連大会を開き、県連代表に上里直司那覇市議が就任した。 上里代表は大会後の取材で、来秋の沖縄県知事選について「今の玉城デニー知事ではないところに関わりたい」と明言した。
国民民主、沖縄知事選「脱デニー」路線で新体制発足 辺野古新基地「必要性認める」方針転換
国民民主党沖縄県連が大きく舵を切った。2025年11月23日に開かれた定期大会で、県内政治家として初の県連代表に上里直司那覇市議が就任し、来秋の沖縄県知事選では現職の玉城デニー氏以外の候補を支援する方針を鮮明にした。
県内政治家が初の代表就任
国民民主党県連が23日、那覇市内で25年度の県連大会を開き、県連代表に上里直司那覇市議が就任した。これまで県連代表は国民民主党所属の参議院議員(5期)、同党幹事長(初代)である榛葉賀津也幹事長が兼務していた。
新体制では幹事長に仲宗根誠沖縄市議、幹事長代理に金城一文糸満市議、政調会長に崎枝裕次竹富町議が就いた。上里代表は「沖縄で国民民主党の旗を立て、支持を広げていく」と意気込みを語り、県連の本格的な「再出発」に位置付けた。
「今度の知事選では、玉城デニーじゃない人が必要だと思う」
「国民民主党も変わったし、沖縄の政治も変えるべきだ」
「デニー知事の2期目で何も変わらなかった」
「政府とのパイプがある候補者を支援してほしい」
「自民党だけで決めるんじゃなくて、県民の声も聞いてほしい」
知事選で「デニー以外」を明言
上里代表は大会後の取材で、来秋の沖縄県知事選について「今の玉城デニー知事ではないところに関わりたい」と明言した。さらに知事選への関わり方として「自民が決めた候補者に乗るのは主体的ではない。候補者を選ぶ段階から関わりたい」と述べ、保守系候補の選定段階から積極的に関与する姿勢を示した。
任期満了に伴う沖縄県知事選は11日投開票され、無所属現職の玉城デニー氏(62)=立憲、共産、社民、れいわ、沖縄社大推薦=が33万9767票(得票率50.8%)を獲得し、再選を果たしました。2022年の前回選挙では玉城氏が2期目の当選を果たしているが、次期知事選での玉城氏の3期目挑戦が規定路線とされる中、国民民主党は明確な対抗姿勢を打ち出した。
辺野古政策で大幅転換
最も注目されるのは、国民民主党の米軍普天間飛行場の辺野古移設に関する政策転換だ。榛葉幹事長は大会後の取材で「辺野古の必要性は党で認めている」と明言し、「沖縄の皆さんにご理解いただく努力をすることが必要だ」と強調した。
辺野古移設は凍結し再考との立場を示していた国民民主党は、平和安全法制の見直しや地位協定の見直しを議論する。辺野古の埋め立ては日米間で十分に協議と2024年衆院選の公約で表現していた。しかし、過去に「いったん停止」や「プランB」などと掲げていた政策を24年10月の衆院選直前に修正し、表現を後退させた経緯がある。
「基地負担の過度な集中を県民に受忍していただいている。あらゆる形で負担軽減に努めなければならない。その意味で国民全体が負担して沖縄関連予算の拡充に努めていかなければならない」と玉木雄一郎代表は語っているが、今回の県連の発言により、党として辺野古移設容認の方向性が一層鮮明になった。
党勢拡大への布石
榛葉幹事長は党勢拡大について「いずれは沖縄から国民民主の国会議員を誕生させたい」と語った。「比例代表の候補者の必勝を期して全国で都道府県連を立ち上げている最中だ」との過去の発言通り、沖縄でも本格的な組織拡大を目指している。
県連大会には知念覚那覇市長や仲宗根哲連合沖縄会長も来賓として挨拶し、地元政財界との関係構築も進めていく方針だ。
国民民主党は2024年の衆院選で28議席を獲得し、自民・公明の与党が過半数を割る中で「キャスティングボート」と呼ばれる立場を手に入れた。今回の沖縄での政策転換は、政権との距離感を重視する現実路線の表れとも言える。来秋の知事選では、従来の「オール沖縄」勢力とは一線を画した立場を鮮明にし、沖縄政治の新たな潮流となるかが注目される。