2025-10-31 コメント投稿する ▼
松本尚デジタル相が医療DXで医師経験を生かし、マイナ保険証利用促進と創薬復興に注力
松本氏は「医療機関にもきちんと活用してもらう」と強調し、データを共有できれば診療時間の短縮につながり、その分患者と医師がより充実した対話ができるようになると指摘しています。 医師出身のデジタル大臣として、松本氏は医療現場の実情に根ざした政策立案が可能な立場にあります。
医療DXが待つ患者の未来
松本デジタル相が語る診療効率化と国益回復の道
松本尚デジタル相は医師としてのキャリアを背景に、医療分野のデジタル化を最優先課題として推し進める姿勢を明確にしました。患者と医師の双方にもたらされる具体的な恩恵を、医学的な実感を交えながら説明することで、社会全体のデジタル化への不安を払拭する戦略を展開しています。医療DXは単なる技術導入ではなく、国の経済成長とも密接に結びついた戦略的課題として位置付けられています。
マイナ保険証の利用促進がカギ
医療DX推進の最初の関門がマイナ保険証の利用促進です。厚生労働省によると、2025年6月時点でのマイナ保険証利用率は30.64パーセント(USD換算基準は日本円)にとどまっており、医療機関の本格的な活用がまだ進んでいません。松本氏は「医療機関にもきちんと活用してもらう」と強調し、データを共有できれば診療時間の短縮につながり、その分患者と医師がより充実した対話ができるようになると指摘しています。
「マイナンバーカードで情報が全部抜かれるなんて心配してる人、多いですよね」
「政府が情報を把握するんじゃないかって、そういう不安ちょっと分かる気がします」
「でも医療DXで診療時間が短くなるなら、試してみてもいいかな」
「デジタル化で医者との時間増えるなら、マイナ保険証使ってみようかな」
「結局、個人のデータが守られるかどうかが一番大事ですよね」
松本氏が強調する「解きほぐすように説明する」というアプローチは、デジタル化に対する根強い不信感を丁寧に払拭する必要があるという認識の表れです。2025年4月の診療報酬改定では、医療DX推進体制整備加算の要件が厳格化され、医療機関はマイナ保険証の利用率向上を避けられない状況にあります。松本氏はこうした制度設計の中で、医療現場の実情に基づいた実行性のあるアプローチが求められることを理解しています。
医療データの利活用が創薬産業復活のカギ
日本の創薬産業の衰退は、国益に直結した重大な課題です。松本氏は「日本の創薬はものすごく力が落ちている。昔みたいに取り戻せば、大きな経済成長につながる分野だ」と述べ、医療データの利活用を通じた創薬産業の復興を展望しています。
製薬企業は医療データへのアクセスを強く求めており、その活用が新薬開発の加速化につながります。しかし現状では、データを共有するためのプラットフォームが不十分であり、医師としての立場から「医療データはもっと使いたい。もどかしい思いをいっぱいしてきたので、利活用のハードルを下げたい」と松本氏は個人的な経験を語ります。民間ベースでの医療データ利活用の仕組みが確立されれば、医療費の抑制と同時に、わが国の医薬品開発能力の国際競争力回復が期待できます。
生成AI活用で行政の労働生産性を向上させる
デジタル庁の重要な役割は、行政機関そのものの効率化にあります。松本氏は「AIは何をやるにしても切っても切れないものとなる。中央も地方も、行政は労働生産性を高める目的で使っていかないといけない。作業効率化のモデルになれば、民間にもノウハウを与えていける」と述べ、政府がデジタル技術の実装における先駆者となる必要性を強調しました。行政が生成AIやクラウドの活用で効率化を実現できれば、それが民間企業の参考モデルとなり、社会全体のDX推進が加速します。
デジタル赤字の解消は国益保全の急務
わが国は深刻なデジタル赤字を抱えています。2024年度のデジタル関連収支は6.6兆円(USD換算基準日:2025年2月)の赤字に達し、10年前と比べて約3倍に拡大しています。海外のGAFAなどIT大手企業への依存が高まる中、デジタル赤字の解消は単なる経済指標の問題ではなく、国の自主性と経済安全保障に関わる極めて重要な課題です。
松本氏は「日本人としては悔しい話。コロナウイルスが感染拡大したときにデジタル化が進んでいなくて苦労したのも相当国益を損なった」と指摘し、デジタル庁が国産クラウドと大規模言語モデル(LLM)の開発に取り組む重要性を述べています。国産技術の強化により、海外IT企業への支払いを減らし、わが国の技術産業の自立を目指す戦略です。
デジタル人材確保の難題と中小企業支援
デジタル人材不足は、DX推進における最大のボトルネックです。松本氏は「1年間で70万人子供が生まれない。その中で、何万人、10万人とデジタル人材を確保できるわけがない。効率よく確保する必要がある」と、少子化という構造的課題の中での人材確保の困難さを率直に語ります。2030年までにIT・DX人材は約80万人不足するとの試算もあり、限られた人材をいかに育成・配置するかが重大な問題となっています。
加えて、中小企業の経営層のデジタルリテラシー向上は急務です。大企業と異なり、経営資源が限定された中小企業は、DX推進において経営幹部の理解と支援が不可欠です。松本氏は「経営層のリテラシーを高めてもらう必要がある。中小企業を支援していかなければならない」と述べ、政府によるきめ細かな支援の必要性を強調しています。
医師出身のデジタル大臣として、松本氏は医療現場の実情に根ざした政策立案が可能な立場にあります。患者にとって見える形での利益、医療従事者の負担軽減、そして日本経済の成長を統合した医療DX戦略の実行を通じて、わが国のデジタル化が真の国益をもたらすものにしていく―松本氏の問題意識はそこに集約されています。