2025-06-08 コメント投稿する ▼
岸田前首相「コメ価格高騰の原因は流通にも」政策見直しへ検証の必要性訴え
岸田前首相「コメ価格高騰の要因、流通過程含め検証を」 政策の透明性求める姿勢
自民党の岸田文雄前首相は8日、フジテレビの番組「日曜報道 THE PRIME」に出演し、最近のコメ価格高騰をめぐって「なぜこうした価格推移が起きたのか、流通を含めて徹底的な検証が必要だ」と強調した。今後の米政策を適切に見通すためにも、今回の事例を一過性の問題で終わらせることなく、構造的な課題の洗い出しが不可欠だという認識を示した。
“緊急事態”の対応は評価しつつも、流通の透明化を提言
岸田氏は番組内で、小泉進次郎農林水産大臣が主導した備蓄米の随意契約による売り渡しについて、「緊急事態と認識し、政治判断として対応に踏み切った点は評価できる」と一定の理解を示した。
「国民の気持ちに寄り添った対応であり、成果は一定、評価できる」
一方で、なぜここまで価格が高騰したのか、背景にはいくつもの複雑な要素があると指摘。「今回のような価格推移をたどった原因が分からなければ、単なる価格対策では再発防止にはつながらない」と述べ、特に「ブラックボックス」と揶揄されることもある流通過程に焦点を当てる必要性を強調した。
農水省の一部資料によれば、農協や卸業者を経由するコメの流通は複雑化しており、現場の農家と消費者価格との間に大きな乖離が生まれているとの指摘がある。加えて、一部の業者による買い占めや囲い込み的取引が価格に影響しているとの声も農業関係者の中で囁かれており、透明化が急務とされている。
今後のコメ政策には「減税」の視点も不可欠
岸田氏は番組内で直接的に減税には触れなかったものの、物価高騰が家計を直撃している現実からすれば、農業政策に加え、消費者支援の文脈での減税措置も議論されるべき局面だ。米価や生活必需品の価格が上昇すれば、最も影響を受けるのは低所得世帯や子育て世代だ。
現状の物価対策として給付金や補助金が検討される一方で、構造的な支援策としての減税――とくに消費税や所得税の減免措置が再び注目されるのは時間の問題だ。農産物に限らず、国民が日常的に接する生活コスト全体を抑えるためには、ピンポイントの支出よりも可処分所得の底上げが必要だろう。
「ブラックボックス」化したコメ流通に国民の不信
今回の価格高騰に対しては、ネット上でも多くの疑問と不満の声が上がっている。特に、消費者に届く段階で価格が異常に跳ね上がる構造や、「誰が儲けているのか見えない」という点が指摘されている。
「農家は儲かってないのに米は高い。どこで中抜きされてるの?」
「新米5キロが3000円超えとか、ちょっと異常。もう庶民の食べ物じゃない」
「結局、業者が買い占めして吊り上げてるんでしょ」
「岸田さんの言う通り、流通がブラックボックス化してる」
「米だけじゃない、玉ねぎもパンも全部高すぎ。減税しないともう無理」
岸田氏が問題提起した「流通過程の透明化」は、多くの国民が抱える疑念に直結する。政府がこの課題に本腰を入れて取り組むかどうかが、今後の信頼回復のカギとなる。
“石破首相の判断を尊重する”と解散には距離
なお、番組内では終盤国会で野党が内閣不信任決議案を提出する可能性が取り上げられたが、岸田氏はこの点については距離を置く姿勢を見せた。「不信任案への対応は総理が政治生命をかけて決断すべきことであり、私の立場でコメントすべきではない」と述べ、石破茂首相の判断を尊重する考えを示した。
政局についての言及は最小限にとどめ、あくまで政策課題――特に国民生活に直結するコメ価格や食料品の問題に焦点を当てた形だ。
政策の信頼回復には“検証”だけでなく“実効性”が必要
岸田前首相の発言は、政権与党としての冷静な問題分析と、今後への備えを意識したものであることは間違いない。ただし、国民の生活を守るには、検証や評価にとどまらず、生活実感に直結する減税や負担軽減策の実施こそが求められている。
今後の農業政策においても、補助金や備蓄放出による価格調整だけでは限界がある。消費者、農家、流通、行政がそれぞれの立場で透明性と公平性を担保しつつ、「本当に生活に役立つ制度設計」が実現されるかが問われる。