高校無償化だけでは教育は変わらない 自民が国に改革の全体像と財政支援を提言

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高校無償化だけでは教育は変わらない 自民が国に改革の全体像と財政支援を提言

高校無償化の拡充だけで終わらせるな 自民調査会が「高校教育改革の全体像」を政府に提言


自民党の教育・人材力強化調査会は6月11日、高校授業料の無償化拡充を受け、制度が支援に偏重するリスクに警鐘を鳴らし、国に対して包括的な教育政策のビジョン提示を求める緊急提言をまとめた。調査会長を務める柴山昌彦元文部科学相は、「無償化の恩恵が私立高に集中する一方で、公立や専門高校の人材育成機能が弱体化しかねない」と指摘し、「国が主導するグランドデザインが不可欠だ」との考えを示した。

高校授業料の無償化は、一見すると「誰もが教育を受けられる社会」を実現する画期的な政策のように映る。しかし、自民党内では「バラマキ型の給付政策に終始せず、教育の中身を問う改革がなければ持続可能性を欠く」との懸念が強まっている。今回の提言は、まさにその問題意識に基づいたものであり、「減税よりも給付」といった短絡的な発想に歯止めをかける試みともいえる。

私立優遇の構図に警鐘 「教育格差の新たな火種」に


今回の無償化拡充の議論では、公私間の格差に関する懸念が根強い。柴山氏は会見で、「私立高への手厚い支援が進めば進むほど、結果的に公立高が“見放される”形になる」と警告。特に地方においては、公立高校が地域の中核的な教育機関として機能しているケースが多く、単純な私立優遇策が“地域格差”や“教育格差”を広げかねないとの問題意識を示した。

調査会が求めたのは、そうした公私の壁を乗り越えた包括的な改革方針、いわば「高校教育のグランドデザイン」の提示だ。地域の実情に応じて柔軟な改革を進められるよう、都道府県に実行計画の策定を促しつつ、国が指針と資金面での支援を約束することで、教育の質と公平性の両立を図る狙いがある。

地方の財源問題にも対応 「交付金による支援」が不可欠


高校教育の改革を自治体任せにしてしまえば、当然ながら財政力に差がある自治体間で“教育の質の格差”が広がる。調査会はこの点にも言及し、「都道府県が改革に取り組む際には、国が交付金などの財政支援策を講じることが必要」と明記した。

現在、多くの自治体が少子化による学校統廃合や教員不足に悩まされており、新たな改革に踏み出す体力がないのが実情だ。無償化の財源だけでなく、その先の“中身の改革”にこそ、国の支援が求められている。

「無償化=改革」ではない 教育の本質を問うべき時


無償化政策には強い世論の支持があるが、「教育の質」という核心に触れないまま拡大されると、“負担軽減”という表面だけが先行し、肝心の人材育成が置き去りになる。自民党調査会の今回の提言は、この流れに対し警鐘を鳴らすものでもある。

とりわけ、単にお金を配るのではなく、教育の現場で「どう教え、どう育てるか」という議論を主導するのが国の役割であると再定義している点は見逃せない。

また、私立校を支援する財源があるならば、その前にまず公立高校や専門高校のカリキュラム改革や設備改善、人材確保に資金を回すべきとの主張は、保守的かつ実務的な視点に基づいた極めて重要な論点である。

ネットでは“バラマキ政策”に不満の声


SNSでは、無償化の拡充そのものには一定の支持がある一方、「給付だけでは教育は変わらない」という声も多数上がっている。

結局また“ばらまき”で支持を集めるつもりか。教育ってそういうもんじゃないでしょ。
公立高が荒れてるのに、なぜ私立だけ手厚くするのか理解できない。
自治体ごとに任せたら、金のあるとこだけ良い教育になる。格差が広がるだけ。
質の話をせずに無償化ばかり騒ぐ政治家にはうんざり。柴山さんの提言は地に足ついててよかった。
無償化だけじゃ先生の質も変わらない。結局、教育の根本を変えないと意味がない。


改革の本質は「可処分教育力」の向上にあり


教育の“無償化”は目的ではなく、手段にすぎない。財政負担を軽減した先に、どのような教育環境を提供するかこそが問われるべきである。今回の自民党調査会の提言は、教育の真価を「コストの無償化」ではなく「質の向上と地域格差の是正」に置くべきだと明示した点で、政策論として一段深い視座を持っている。

政府は、これを受けて単なる制度の枠組みづくりにとどまらず、実効性ある「高校教育の国家戦略」として、グランドデザインを示す責任がある。

コメント: 1件

2025-06-11 17:41:50(藤田)

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上記の柴山昌彦の活動をどう思いますか?

コメント

無償化にするなら、一定の成績を取れない生徒は退学にすべき。恩恵と義務はセットです。

2025年6月11日 18:42 GTO

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