2025-05-03 コメント投稿する ▼
小沢一郎氏が浅尾環境相を痛烈批判「マイクオフ問題を認識していない」発言で辞任要求
水俣病懇談会で再燃する「マイクオフ問題」
2025年4月30日、熊本県水俣市で開催された水俣病被害者・支援者連絡会との懇談会において、浅尾慶一郎環境相が昨年の「マイクオフ問題」に関する認識を問われ、「シナリオを用意していたとは私は認識していない」と発言した。この発言は、被害者団体や世論から強い反発を招いている。
昨年5月1日に行われた懇談会では、環境省が事前に用意した「3分でマイクオフ」とするシナリオに基づき、被害者団体の発言中にマイクが切られる事態が発生。この対応について、環境省は5月7日に謝罪し、伊藤信太郎前環境相も翌日に被害者らに直接謝罪した。当時の岸田文雄首相も「不適切な対応だった」と言及していた。
しかし、今回の懇談会で浅尾環境相がシナリオの存在を認識していなかったと発言したことに対し、被害者団体の中山裕二事務局長は「一番肝心な所が分かっておらず論外だ」と批判。環境省の大臣官房審議官も「シナリオがあったことを認識していなかったことは事実」と認めた。
小沢一郎議員が浅尾環境相を痛烈批判
立憲民主党の小沢一郎衆院議員は、自身のX(旧ツイッター)で浅尾環境相の発言を厳しく批判。「問答無用3分マイク切りのシナリオは問題直後に公表され、環境省も公式に謝罪している。この大臣は、それすら知らないというのか?」と述べ、「苦しむ人の思いをまた踏みにじるつもりか?被害者団体を馬鹿にするものであり、環境大臣として全くふさわしくない。一刻も早く辞任すべき」と辞任を求めた。
被害者団体との溝深まる
浅尾環境相は、昨年の反省から今回の懇談会を2日間にわたり実施し、市内の関係施設も訪問。しかし、健康調査の実施手法など具体的な議論はかみ合わず、被害者団体からは「ゼロ回答だ」との厳しい声が上がった。特に、国が進める脳磁計とMRIを使った検査手法に対しては、団体側が10年以上前から反対しており、意見の食い違いが露呈した。
水俣病の認定患者は熊本・鹿児島両県で合わせて2284人(うち2073人が他界)。認定申請して処分を待っている人は1271人に上る。多くの未認定患者が補償や救済を求めて全国各地で裁判を続けており、環境省の対応が問われている。
ネットユーザーの反応
「大臣が過去の問題を把握していないなんて信じられない」
「被害者の声を聞く姿勢が感じられない」
「環境省の対応には失望した」
「小沢議員の指摘はもっともだ」
「再発防止に本気で取り組んでほしい」
水俣病の公式確認から69年が経過し、来年は70年の節目を迎える。被害者の高齢化が進む中、環境省の誠実な対応と信頼回復が求められている。