2025-11-16 コメント投稿する ▼
高市早苗首相台湾有事発言に小沢一郎議員が「総理自身が国の危機を招く」と厳しく批判
立憲民主党の小沢一郎衆院議員が2025年11月15日、高市早苗首相の台湾有事をめぐる国会答弁について厳しく批判しました。 小沢氏は自身のX(旧ツイッター)で、「総理自身が国の危機を招いてどうするのか」と苦言を呈し、外交における慎重な発言の重要性を強調しました。 このような状況を受けて、立憲民主党の小沢一郎衆院議員が2025年11月15日にX上で強い批判を展開しました。
立憲民主党の小沢一郎衆院議員が2025年11月15日、高市早苗首相の台湾有事をめぐる国会答弁について厳しく批判しました。小沢氏は自身のX(旧ツイッター)で、「総理自身が国の危機を招いてどうするのか」と苦言を呈し、外交における慎重な発言の重要性を強調しました。
この発言の背景には、高市氏の台湾有事に関する答弁が中国側の強い反発を招き、日中関係に深刻な影響を与えていることがあります。中国の駐大阪総領事による過激な投稿や、中国政府による日本への渡航自粛勧告など、外交問題が急速に拡大しており、国民の間でも懸念の声が広がっています。
高市氏の答弁が引き起こした波紋
問題となったのは、高市早苗首相が2025年11月7日の衆院予算委員会で行った答弁です。立憲民主党の岡田克也氏から台湾有事の際の対応について問われた高市氏は、「戦艦を使って、武力の行使も伴うものであれば、存立危機事態になり得るケースだと考える」と発言しました。
存立危機事態とは、日本と密接な関係にある他国への武力攻撃が発生し、日本の存立が脅かされる状況を指します。これが認定されれば、日本は集団的自衛権を行使して反撃に参加することが可能になります。台湾を「核心的利益」と位置づける中国にとって、この発言は極めて敏感な内容でした。
「高市さんの発言は中国を刺激しすぎているのでは」
「戦争に巻き込まれるかもしれないと思うと怖い」
「もう少し慎重に発言してほしかった」
「外交は言葉一つで大きく変わる」
「国民の安全を第一に考えてほしい」
中国側の激しい反発と外交問題への発展
高市氏の答弁を受けて、中国側は激しく反発しました。中国の薛剣駐大阪総領事は2025年11月8日深夜、自身のXに「勝手に突っ込んできたその汚い首は一瞬の躊躇もなく斬ってやるしかない。覚悟ができているのか」という極めて攻撃的な投稿を行いました。この投稿は後に削除されましたが、外交官としての品位を著しく欠く内容として大きな問題となりました。
さらに、中国外務省の林剣副報道局長は2025年11月10日の記者会見で、「強い不満と断固反対」を表明し、日本政府に対して厳正な申し入れと強烈な抗議を行ったことを明らかにしました。中国側は高市氏の発言を「台湾海峡への武力介入の可能性を暗示した」として、「極めて悪質だ」と問題視しています。
日本政府も外務省の船越健裕事務次官が2025年11月14日、呉江浩駐日大使を呼び出し、薛剣総領事の投稿について強く抗議しました。このような外交的な非難の応酬が続く中、中国外務省は2025年11月14日夜、中国国民に対して日本への渡航を控えるよう注意喚起を行いました。
小沢氏による強い批判と警告
このような状況を受けて、立憲民主党の小沢一郎衆院議員が2025年11月15日にX上で強い批判を展開しました。小沢氏は「トップの相手国への攻撃的な一言で批判の応酬となり、国民感情も悪化、輸出入も減少、渡航自粛勧告から大使館撤退、最終的に紛争に至り、国民に多大なる犠牲が出る、そういうことは十分あり得る」と指摘しました。
小沢氏の警告は、外交における発言の重要性を強調しています。政治指導者の一言が国際関係に与える影響の大きさを踏まえ、「高市総理にはそうした認識・覚悟があってのことだろうか」と疑問を呈し、「総理自身が国の危機を招いてどうするのか」と厳しく批判しました。
この批判は、高市氏の発言が単なる国会答弁を超えて、日中関係全体に深刻な影響を与える可能性があることを示唆しています。特に経済面への波及を懸念する声も強く、中国からの訪日観光客数は2025年1月から9月までで約749万人と国・地域別で最も多いことから、渡航自粛の影響は日本経済にも及ぶ可能性があります。
日中関係への深刻な影響と今後の展開
今回の一連の出来事は、日中関係に長期的な影響を与える可能性があります。中国の航空各社は2025年11月15日、日本発着便の航空券のキャンセル料を一時的に無料にすると発表しており、実際の渡航自粛が始まっていることを示しています。
高市氏は2025年11月10日の国会答弁で、自身の発言について「特に撤回・取り消しをするつもりはない」と述べており、中国側との対立は当面続くとみられます。一方で、日本政府は中国側に「建設的かつ安定的な関係」の構築を求めており、両国の立場の違いは明確になっています。
外交専門家の間では、歴代首相が台湾有事について明言を避けてきた経緯を踏まえ、「戦略的あいまいさ」を維持することの重要性を指摘する声もあります。具体的な軍事行動について言及することで、かえって抑止力を低下させる可能性があるとの懸念も示されています。
今回の問題は、日本の安全保障政策と外交戦略のバランスの難しさを浮き彫りにしました。台湾海峡の安定は日本の安全保障にとって重要な課題である一方、中国との関係維持も同様に重要であり、政治指導者には慎重かつ戦略的な発言が求められています。小沢氏の批判は、このような外交の複雑さを踏まえた警告として受け止められており、今後の日中関係の行方が注目されています。