2025-08-31 コメント投稿する ▼
枝野幸男氏「不信任案出さないで当然」 石破内閣追及は政策論争で
枝野幸男氏「不信任案は出さないで当然」
立憲民主党の枝野幸男元代表は31日、さいたま市内で講演し、秋の臨時国会で石破茂内閣に対する内閣不信任決議案を提出すべきではないとの考えを明確にした。「出さないで当然だ。通るのに先のことを考えないで出すのは無責任極まりない」と述べ、野党の一部にある強硬論を退けた。
枝野氏はその理由として、2024年10月の衆院選から1年が経過していないことを挙げ、「政治を混乱させるだけだ」と強調した。また「出すのは簡単だが、いまの野党で連立政権を組んでも主張が違うから3日で崩壊する」と述べ、野党間の足並みの乱れを痛烈に指摘した。
野党内に広がる温度差
内閣不信任案の提出を巡っては、立憲民主党の一部や他の野党の中で「石破政権への不満を示すべきだ」との声もある。しかし枝野氏は現実的に見て、与党自民党(自由民主党)と公明党が多数を占める中で成立する可能性は極めて低いと冷静に分析。「単なるパフォーマンスで終わり、逆に野党の信頼を失う」との懸念を示した。
「出すだけ出すのは無責任」
「不信任案が通るはずがない」
「野党が連立しても泥舟政権になる」
「政治の混乱は国民が一番困る」
「枝野氏の発言は現実的で筋が通っている」
「泥舟政権」批判と野党の立ち位置
枝野氏はまた、仮に野党連立で政権を担っても「政策が食い違い、3日で崩壊する」と述べた。これは自民党と公明党による連立政権を「泥舟政権」と批判する世論を踏まえつつ、野党側も同様の危険を抱えていることを自戒的に語った発言といえる。
自民党大敗の後、石破内閣の正統性を問う声は一部にあるものの、枝野氏は「不信任案提出が国民の利益につながらない」と冷静な立場を示した。むしろ、政策論争で政権を追及する方が現実的であるとの姿勢を鮮明にした。
不信任案をめぐる今後の展望
秋の臨時国会では経済政策や外交・安全保障など重要課題が山積している。不信任案提出に時間を割くよりも、物価高や減税政策、外交課題など国民生活に直結する論点で政府を追及すべきだというのが枝野氏の立場だ。
石破首相の政権運営に対する批判が高まる中、野党がどういう形で存在感を示すかは今後の政治の焦点となる。不信任案をあえて避けた枝野氏の発言は、野党戦略における一つの方向性を提示するものであり、国会運営の行方を占う材料となりそうだ。