2025-11-28 コメント投稿する ▼
英国保管のアイヌ遺骨5体返還へ 黄川田仁志担当相が来年度受け取り協議と発表
黄川田仁志アイヌ施策担当相は2025年11月28日の記者会見で、英国の自然史博物館で保管されているアイヌ民族の遺骨5体の返還を受けると発表しました。 国の2013年から2019年の調査では、12大学と18博物館などに計1800体以上の遺骨が保管されていることが判明しており、その多くが明治時代以降の研究目的での発掘によって持ち出されたものです。
英保管のアイヌ遺骨5体返還へ
黄川田担当相「ようやく慰霊できる」 来年度に受け取り協議進める
黄川田仁志アイヌ施策担当相は2025年11月28日の記者会見で、英国の自然史博物館で保管されているアイヌ民族の遺骨5体の返還を受けると発表しました。黄川田氏は「ようやく慰霊できる。返還を早期実施できるよう調整を進める」と述べ、内閣府は来年度の受け取りを目指して英側との協議を本格化させる方針です。
160年前の盗掘被害から返還実現へ
返還対象の遺骨5体のうち4体は1865年に北海道の八雲町や森町で発掘・発見されたもので、1体については出土地域が不明となっています。これらの遺骨は、慶応元年にイギリス領事館員らによる人類学研究を目的とした盗掘事件で持ち出されたものとみられます。
1865年、箱館の英国領事館の館員たちによってアイヌ墓地から人骨が盗掘される事件が発生しており、今回の返還はこの歴史的な不正行為の是正という意味も持っています。日本政府は長年にわたって英自然史博物館に対し遺骨の返還を求めてきました。
返還後の遺骨は当面、北海道白老町のアイヌ文化施設「民族共生象徴空間(ウポポイ)」の慰霊施設で保管される見通しです。
地元団体への引き渡し手続きも開始
出土地域が判明している4体については、日本政府は12月1日から引き取りを希望するアイヌ関係団体からの申請受け付けを開始します。内閣官房では2018年12月に関係省庁が定めた「大学の保管するアイヌ遺骨等の出土地域への返還手続きに関するガイドライン」等の趣旨に従い、出土地域に居住するアイヌの人々を中心に構成された団体が遺骨の返還を希望する場合の手続きを定めています。
これにより、遺骨が出土した地域のアイヌ関係団体が申請を行えば、ウポポイではなく地元での慰霊が可能になります。
「ご先祖様がようやく故郷に帰ってこられる」
「160年もの間、異国の地で眠っていたなんて」
「でもウポポイじゃなくて元の土地に埋め直してほしい」
「英国がちゃんと謝罪してくれたのかが気になる」
「これで全部じゃないでしょう。まだ調査が必要」
深刻なアイヌ遺骨返還問題の現状
今回の英国からの返還は、より大きなアイヌ遺骨返還問題の一部に過ぎません。国の2013年から2019年の調査では、12大学と18博物館などに計1800体以上の遺骨が保管されていることが判明しており、その多くが明治時代以降の研究目的での発掘によって持ち出されたものです。
特に北海道大学では納骨堂に940体以上の遺骨が保管されており、遺骨返還を求める裁判も相次いで起こされています。2010年代以降、杵臼事件、紋別事件、浦幌事件など複数の訴訟が和解により遺骨の返還を実現しています。
しかし、エンチウ遺族会の田沢守会長は「国やメディアは『返還』というが、国の慰霊施設や北大の研究室に預けられることがなぜ返還なのか。アイヌ民族としては、一刻も早く土に返したいと思っている」と語り、現在の返還制度への不満を表明しています。
国際基準との乖離への批判
アイヌ民族の権利擁護に取り組む専門家は、日本の対応が国際基準に達していないと指摘しています。「先住民族の権利に関する国連宣言」第12条では「先住民族は、自らの精神的および宗教的伝統、慣習、そして儀式を表現し、実践し、発展させ、教育する権利を有し、遺骨の返還に対する権利を有する」と明記されています。
アイヌには集落全体で死者の霊を慰め、遺体を故郷の土に還す風習があり、ウポポイに移すことは強制移住と同じだとする批判もあります。真の解決には、遺骨を出土地域に再埋葬し、アイヌ民族の伝統的な慰霊方法を尊重することが求められています。