衆院定数削減「プログラム法案」に自動削減条項、1年で45人強制削減の前代未聞制度

113 件のGood
114 件のBad

衆院定数削減「プログラム法案」に自動削減条項、1年で45人強制削減の前代未聞制度

1年で結論が得られなければ、協議の成否に関わらず小選挙区25人、比例代表20人が強制的に削減される仕組みになっています。 日本共産党は「議員定数削減は幅広い政党から批判、疑問の声が出されており、自民党内からも公然と反対を表明する声があがっている」として、党派を超えた反対の一致点があることを強調しています。

自民党と日本維新の会が衆議院議員定数1割削減を目指し、今国会での成立を図る「プログラム法案」の全容が明らかになりました。この法案は1年間の協議期間を設け、結論が出なければ自動的に45人を削減する異例の仕組みを導入しており、民主主義の根幹を揺るがす危険な内容として各方面から批判が噴出しています。

1年で結論出なければ自動削減、前例のない強制力を導入


プログラム法案では、現在の衆議院定数465人を420人を超えない範囲まで削減し、最低でも45人の削減を義務づけています。削減方法については、2025年の国勢調査結果を踏まえ、衆議院選挙制度協議会で選挙制度と併せて1年以内に検討することになっています。

最も問題視されているのは「自動削減条項」です。1年で結論が得られなければ、協議の成否に関わらず小選挙区25人、比例代表20人が強制的に削減される仕組みになっています。この場合、小選挙区264人、比例代表156人の計420人となります。

維新が強く求めたこの実効性担保措置により、従来の政治改革法案とは一線を画す強制力を持った法案となりました。しかし、削減時期は2028年10月の衆院議員任期満了選挙を念頭に置いており、実際の実施は約3年後となる見通しです。

「民主主義を数で決めるなんてあり得ない」
「自動削減って何の議論もなしに決まるの?」
「地方の声が届かなくなる」
「小政党を狙い撃ちした制度だ」
「これが政治改革と言えるのか」

自民党内でも「乱暴」と強い反発、岩屋前外相が痛烈批判


自民党の岩屋毅前外務大臣は「進め方が乱暴だ。主権者たる国民の代表をどう選ぶか、どういう数であるべきかという議論ですから、これはやっぱり与党だけで決めていいことではない」と厳しく批判しています。岩屋氏は特に自動削減条項について「対話する姿勢を欠いている。この条文は外すべきだ」と強く反対しています。

岩屋氏はさらに「選挙制度は全ての政党が同じ土俵で戦うための民主主義の基盤。連立を組む材料として2党だけでそういう約束をするのは筋が違う」と指摘し、民主主義の根幹に関わる問題を政権維持の取引材料にした政治手法を痛烈に批判しています。

自民党内では12月2日の政治制度改革本部でも異論が相次ぎ、法案了承が見送られる事態となりました。「地方から議員がいなくなる」との懸念や、プロセスの拙速さを問題視する声が党内に広がっています。

維新内部でも温度差、吉村代表は「プログラム法案やらない方がいい」


皮肉にも、自動削減を強く求めた維新内部でも温度差が露呈しています。吉村洋文代表は11月12日に「プログラム法案のような中途半端なことだったらむしろやらない方がいい」と述べ、工程表だけの法案に否定的な見解を示しました。

吉村氏は「曖昧なプログラム規定により棚上げとなることに警戒感」を表明し、「安易に風呂敷を広げると、結局うやむやになって終わる」と選挙制度改革との抱き合わせに反対しています。一方、藤田文武共同代表は「実効性のあるプログラム法案だったらいい」として、党内の意見統一が図られていない状況です。

過去のプログラム法案を見ると、2013年の社会保障制度改革プログラム法のように、理念的な方向性は示すものの、具体的な実効性に欠けるケースが多く、維新が警戒するのも理解できます。

野党一致して反対、民主主義への深刻な脅威を指摘


立憲民主党の安住淳幹事長は「なぜ1割削減なのか、なぜ1年で結論なのか説明を求めたい」と疑問を呈し、国民民主党関係者は「削減ありきの乱暴な議論だ」と批判しています。公明党の西田実仁幹事長も「1割の理由がいまだに判然としない」と述べ、科学的根拠の欠如を問題視しています。

日本共産党は「議員定数削減は幅広い政党から批判、疑問の声が出されており、自民党内からも公然と反対を表明する声があがっている」として、党派を超えた反対の一致点があることを強調しています。

政治学者からは、日本の議員数は国際的に見ても少なく、さらなる削減は新陳代謝を阻害し、多様な民意の反映を困難にするとの指摘があります。特に比例代表の削減は中小政党への打撃が大きく、二大政党制への誘導という政治的意図も透けて見えます。

自民党と維新は12月5日にも法案提出を目指していますが、自動削減という前例のない強制的手法への批判は根強く、民主主義の健全性を損なう危険な法案として、今後激しい政治的対立を招く可能性が高まっています。

コメント投稿する

2025-12-03 09:36:43(植村)

113 件のGood
114 件のBad

上記の藤田文武の活動をどう思いますか?

コメント投稿

コメントを投稿することができます。管理者の確認後公開されます。誹謗中傷・公序良俗に反する投稿は削除されます。

※サイト運営スタッフにより内容が確認後公開されます。24時間以内に確認されます。

関連する活動報告

GOOD/BAD評価

人気のある活動報告

関連書籍

40代政党COO 日本大改革に挑む

40代政党COO 日本大改革に挑む

藤田文武

新着記事

検索

政治家の名前検索、公約の検索が行えます。

ランキング

政治家や公約の各種ランキングを見ることができます。

ランダム評価

公約・政策がランダム表示され評価することができます。

選挙情報

今からの選挙・過去の選挙結果などが確認できます。

アンケート

当サイトで行っているアンケート・投票にご協力ください。

「先生の通信簿」は、議員や首長など政治家の公約・政策を「みんなで」まとめるサイトです。また、公約・政策に対しては、進捗度・達成度などを含めたご意見・評価を投稿することができます。

政治家や議員の方は、公約・政策を登録し有権者にアピールすることができます。また、日頃の活動報告も登録することができます。

選挙の際に各政治家の公約達成度や実行力など参考になれば幸いです。

※この情報は当サイトのユーザーによって書き込まれた内容になります。正確で詳しい情報は各政治家・政党のサイトなどでご確認ください。

X (Twitter)

標準偏差:21.34