2025-11-14 コメント投稿する ▼
藤田文武維新共同代表が記者名刺公開で1万3千件嫌がらせ誘発、MIC・JCJ異例の抗議声明
日本維新の会の藤田文武共同代表氏による記者名刺公開問題は、政権与党の要職にある政治家が引き起こした深刻な報道妨害事件として大きな波紋を呼んでいます。 メディア労組と日本ジャーナリスト会議は史上例を見ない抗議声明を発表し、この行為を「犬笛」効果による言論弾圧として強く非難しています。 この名刺公開は、政権与党の要職者による悪質な「犬笛」行為として大きな問題となりました。
日本維新の会の藤田文武共同代表氏による記者名刺公開問題は、政権与党の要職にある政治家が引き起こした深刻な報道妨害事件として大きな波紋を呼んでいます。メディア労組と日本ジャーナリスト会議は史上例を見ない抗議声明を発表し、この行為を「犬笛」効果による言論弾圧として強く非難しています。
権力者による意図的な記者攻撃が明らかに
問題の発端は2025年11月2日号の「しんぶん赤旗」日曜版が報じた藤田氏の公金約2千万円還流疑惑です。同氏側は2017年6月から2024年11月まで、自身の公設第1秘書が代表を務める「株式会社リ・コネクト」に、政党助成金や調査研究広報滞在費など税金を原資とする資金から約2千万円を支出していました。
その公設第1秘書は同社から年720万円の報酬を受け取っており、明確な税金還流の構図が浮き彫りとなりました。藤田氏は「法的には適正」と主張していますが、11月4日の記者会見で「今後は発注しない」と表明せざるを得ませんでした。
「この税金還流問題、政治家として説明責任を果たしてほしい」
「維新の身を切る改革って何だったんだ」
「公設秘書の会社に発注って、完全にアウトでしょ」
「藤田氏の言い訳会見、全然納得できない」
「これで法的に問題ないって言われても信用できない」
しかし、この疑惑報道以上に深刻な問題となったのが、藤田氏が10月30日未明にX(旧ツイッター)で行った記者の名刺画像公開でした。携帯電話番号とメールアドレスの一部のみを消したものの、記者の実名、所属部署、直通電話番号などの個人情報が詳細に記載された名刺を、自身のSNSで公開したのです。
「犬笛」効果で記者に1万3千件超の攻撃
この名刺公開は、政権与党の要職者による悪質な「犬笛」行為として大きな問題となりました。「犬笛」とは、特定の周波数でのみ聞こえる犬笛になぞらえ、権力者やインフルエンサーが支持者に対して間接的に特定の個人や団体への攻撃を誘発する行為を指します。
実際に「犬笛」効果は即座に現れました。赤旗編集局によると、名刺公開後に記者への嫌がらせなどのメールが1万3千件を超え、電話は30件以上寄せられています。その中には「刺されないよう前後左右気をつけないといけない」など命の危険を示唆する脅迫まがいの投稿も含まれており、編集局長らは11月14日に警視庁原宿署に告発状を提出しました。
メディア労組が異例の緊急声明
この前例のない事態を受けて、日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)と日本ジャーナリスト会議(JCJ)は11月14日、連名で緊急声明を発表しました。政権与党幹部による記者への「犬笛」行為として強く抗議し、投稿の即座削除を要求しています。
MICとJCJは声明で「政権与党の一角を占める政党の代表者が記者の名刺をSNSでさらす行為は、いわゆる誹謗中傷を誘発する『犬笛』効果が極めて高い」と指摘。過去に兵庫県知事問題や参院選、ヘイトスピーチ問題を巡って全国各地で相次いでいる記者への誹謗中傷攻撃のきっかけが、政治家やインフルエンサーによる「犬笛」であることがほとんどだと警告しています。
声明はまた、藤田氏が「しんぶん赤旗は報道機関ではない」として名刺投稿を正当化していることについても強い違和感を表明。「しんぶん赤旗のみならず、全ての報道機関に関わる問題」として、報道・表現・言論の自由を守ることを改めて誓っています。
削除要請を完全無視、強気姿勢を継続
赤旗側は11月4日に削除と謝罪を求める申し入れを行い、期限を11月10日に設定しましたが、藤田氏は応じていません。11月12日の記者会見でも「スタンスは変えるつもりはない」と強調し、改めて削除や謝罪をしない考えを示しました。
藤田氏は8日出演のABCテレビ番組で「ここは折れる気ない」「赤旗さんは報道機関じゃない。ジャーナリズムと言うのは自由だが、違うと思っている」と述べ、「これは政党と政党のシンプルなやり取り」として一般報道機関との扱いは違うと主張しています。