2025-11-15 コメント投稿する ▼
維新藤田文武氏が中選挙区制1~2年内実現要求 定数削減と同時進行
日本維新の会の藤田文武共同代表は2025年11月15日までに配信されたインターネット番組で、自民党との連立政権合意書に明記された中選挙区制導入について、次期衆院選までの実現が望ましいとの認識を示しました。 自民党と日本維新の会が2025年10月20日に締結した連立政権合意書には、衆院選挙制度改革として「中選挙区制導入の検討」が明記されています。
藤田氏の発言は、ラジオNIKKEIのポッドキャスト番組「NIKKEI切り抜きニュース」への出演で行われました。現行制度から中選挙区制への変更について「普通に考えれば、なかなか実現しない」としながらも、「期日を区切って取り組まなければならず、次の選挙までの目標となれば長くとも約3年以内となる。区切りの中で決めるのが一番すっきりする」と述べ、実現への強い意志を示しました。
連立合意書に明記された中選挙区制検討
自民党と日本維新の会が2025年10月20日に締結した連立政権合意書には、衆院選挙制度改革として「中選挙区制導入の検討」が明記されています。この合意は、26年間続いた自公連立の解消を受けて成立したもので、維新が長年主張してきた「身を切る改革」の具体的な成果として位置付けられています。
中選挙区制は、1つの選挙区から複数の当選者が出る制度で、1994年の政治改革以前まで採用されていました。当時の衆院定数は512議席と現在より多く、政党間の競争がより複雑になる一方で、より多様な民意が国会に反映される仕組みでもありました。
藤田氏は2025年11月13日に東京都内の日本外国特派員協会で記者会見し、現行の小選挙区比例代表並立制について「健全な二大政党制を志向したが、なし得なかったと結論が出た」と指摘しました。SNSの普及などにより多党化が加速しているとした上で、「それを担保するには中選挙区制がベストだ」と主張しています。
議員定数削減との同時進行
維新は連立入りの絶対条件として衆院議員定数の1割削減(50議席減)を自民党に求めており、藤田氏はこれと中選挙区制導入を同時に進めるべきだと強調しています。定数削減については、2025年臨時国会での関連法成立を目指すとしており、実現しなければ連立政権の継続にも影響を与える可能性があります。
「定数削減が実現しなければ、維新の意味がない。これは絶対に譲れない」
「中選挙区制になれば、もっと民意が反映される政治になる。今の制度は限界だ」
「身を切る改革を言い続けてきた維新として、ここで妥協するわけにはいかない」
「自民党がどこまで本気なのか、今後の対応を注視している」
「選挙制度改革は政治改革の根幹。必ず実現させる」
実現への課題と政治的背景
しかし、選挙制度改革の実現には大きな課題があります。中選挙区制の導入は憲法改正を伴わないものの、公職選挙法の大幅改正が必要で、与野党の幅広い合意が前提となります。自民党内には、現行制度で当選してきた議員からの反発も予想されます。
また、議員定数削減についても、自民党執行部は「与野党の幅広い合意を条件に受け入れる」との慎重な姿勢を示しており、維新の求めるスピード感との間に温度差があります。比例代表の定数削減なら選挙区調整の手間はかからないものの、各政党の議席配分に直接影響するため、野党の同意を得るのは容易ではありません。
政治制度に詳しい専門家からは「中選挙区制は確かに多様な民意を反映しやすいが、政党の党議拘束が弱くなり政治が不安定化する可能性もある」との指摘も出ています。一方で、「現在の政治状況を見れば、より多くの政党が国会で発言権を持つ制度への転換は必要かもしれない」との声もあります。
維新の政治改革への執念
日本維新の会にとって、選挙制度改革は党の根幹政策です。橋下徹氏が大阪府知事時代から掲げてきた「身を切る改革」の延長線上にあり、大阪府議会では実際に議席を約2割削減した実績があります。
藤田氏は自民党との連立についても「安易な連立入りで身売りすれば、わが党は恐らく無くなり、存在価値が毀損される」と発言しており、政策実現を最優先にする姿勢を鮮明にしています。
ただし、維新内部では一部から「理想を追求するあまり現実的な政策実現の機会を逸するのではないか」との懸念も出ており、今後の党運営に影響を与える可能性があります。
選挙制度改革は、戦後政治の根幹に関わる重要な政治課題です。藤田氏の発言は、単なる政策提言を超えて、日本の民主主義の在り方そのものを問う重要な問題提起として注目されています。与野党がこの課題にどう対応するか、政治の真価が問われることになりそうです。