2025-11-04 コメント: 2件 ▼
維新・藤田文武氏、異例の野党直接呼びかけで議員定数削減推進へ
日本維新の会の藤田文武共同代表が2025年11月4日、高市早苗首相の所信表明演説に対する衆院代表質問で、自民党と連立政権を組む際に掲げた議員定数削減をめぐり、高市首相ではなく立憲民主党と国民民主党のトップに賛同を迫る異例の言及をしました。 藤田氏は続いて、立憲民主党の野田佳彦代表に直接言及しました。
日本維新の会の藤田文武共同代表が2025年11月4日、高市早苗首相の所信表明演説に対する衆院代表質問で、自民党と連立政権を組む際に掲げた議員定数削減をめぐり、高市首相ではなく立憲民主党と国民民主党のトップに賛同を迫る異例の言及をしました。この日は、日本で初めて本格的な政党内閣を率いた原敬が1921年11月4日に暗殺された日でもあり、藤田氏は歴史を引き合いに出しながら政治改革の必要性を強調しました。
原敬の志を受け継ぐ政治改革への決意
藤田氏は代表質問の冒頭で、この日が原敬暗殺の日であることに触れながら、政治改革の意義を説明しました。原敬は1918年に日本初の本格的政党内閣を組織し、平民宰相として親しまれた政治家です。
藤田氏は「国家のためなら政党に不利な政策も採る」という原敬の姿勢を引用し、「大衆迎合的な言説を廃し、党利党略を捨て、国益を大義に政策実現にこだわる。この原敬の姿勢こそが、今の政治に求められている」と述べました。その上で、「まずは隗より始めよの姿勢が必要不可欠。その1つが、衆院議員定数の1割削減だ」と訴えると、議場は拍手とヤジで騒然となりました。
野田代表への直接的な呼びかけで議場騒然
藤田氏は続いて、立憲民主党の野田佳彦代表に直接言及しました。2012年、当時民主党の野田総理は、自民党の安倍総裁に対し、衆院議員定数を45削減する提案をしていました。この経緯を踏まえ、藤田氏は「2012年、当時民主党の野田総理は、自民党の安倍総裁に、まず我々が身を切る覚悟で具体的な定数削減を実施しないといけないとして、45議席削減を提案した」と振り返りました。
先月、野田代表は維新の吉村代表について「安倍さんとの約束は悲願でもあり、吉村さんが突破口を開いてくれたのに感謝したい」と述べていました。この発言を引用し、藤田氏は「『悲願』とも形容された思いに、私も強く賛同する」と野田代表への共感を示しました。
玉木代表への期待表明で与野党の壁を超越
さらに藤田氏は、国民民主党の玉木雄一郎代表にも言及しました。玉木氏は定数削減の法案について「臨時国会の冒頭で処理したらいい」と述べていました。これを受けて藤田氏は「みなさま、何と心強いお言葉でしょうか」と評価し、両党トップを「まさに議員定数削減の志を同じとする同志であります」と呼びました。
そして「野田代表、玉木代表、原敬の言葉を胸に10年越しの宿題を解決し、議員定数を実現しようではありませんか。有言実行あるのみです」と、首相への質問の場でありながら野党党首に直接協力を呼びかける異例の展開となりました。
政策合意の背景と今後の課題
維新は自民党との連立合意で衆院議員定数の1割削減を必須条件とし、今国会で法案提出しなければ連立離脱も辞さない構えを示しています。藤田氏は比例代表の50程度の削減を主張し、「ばっさりいったらいい」と強気の姿勢を見せています。
一方で、立憲民主党の野田代表は「政治資金の問題をうやむやにして次のテーマの定数削減というのは順番が間違っている」と批判的な立場を取っています。国民民主党の玉木代表も当初は賛成していましたが、連立合意書の内容を見て「何も書いてないのと同じ」として態度を軟化させています。
藤田氏が首相への代表質問で野党党首に協力を呼びかけるのは極めて異例のことです。自民党とは政策合意書を交わしていることもあってか、高市首相に対する議員定数削減への決意に関する質問は、その後「後付け」のような形で問うただけでした。この異例の手法は、与野党を超えた政治改革の実現に向けた維新の本気度を示すものとして注目されています。