2025-10-30 コメント: 2件 ▼
維新・藤田文武共同代表が赤旗報道に「正当な取引」と反論、機関紙を「プロパガンダ紙」と批判
赤旗日曜版は2025年10月29日の電子版で、藤田氏側が自身の公設第1秘書が代表を務める会社に約2千万円の公金を支出し、その会社が当該秘書に年720万円の報酬を支払っていたと報道。
維新・藤田氏が赤旗報道に全面反論、「正当な取引」と主張
日本維新の会の藤田文武共同代表は2025年10月30日、自身のSNS(X旧ツイッター)で、公設秘書側に公金2千万円が支出されていたとする共産党機関紙「しんぶん赤旗日曜版」の報道に対し、全面的に反論しました。藤田氏は「すべて実態のある正当な取引であり、専門家にも相談の上で適法に行なっている」と主張する一方で、赤旗について「プロパガンダ紙であり、公平性が皆無だ」と厳しく批判しました。 政治資金疑惑をめぐる主張と報道姿勢が真正面からぶつかる形となっています。
赤旗日曜版は2025年10月29日の電子版で、藤田氏側が自身の公設第1秘書が代表を務める会社に約2千万円の公金を支出し、その会社が当該秘書に年720万円の報酬を支払っていたと報道。見出しに「『身を切る』どころか身内へ税金還流」と記載し、公金の流れを批判的に書きました。これに対し、藤田氏は10月30日未明に詳細な反論を6項目にわたってSNS上に公表しました。
「これまで実績のある企業と取引をしている」
「地元有権者への情報提供は重要な活動」
「広告代理店も印刷機を自前で所有していない」
「取引条件は相場水準で設定している」
「藤田氏も赤旗の公平性に疑問を呈している」
2千万円の使途を具体的に説明
藤田氏の反論で最初に指摘したのは、報道が「単年度の支出」であるかのような印象を与えているという点です。藤田氏によれば、2千万円は「数年間の合計額」 であり、その大部分は機関紙のデザイン費や印刷実費といった「仕入れ原価が当然に発生するもの」だと説明しています。
藤田氏は、選挙区内での有権者との情報共有の重要性を強調します。小選挙区内に全戸配布する場合、一枚ものビラでも「デザイン、印刷、折込やポスティング配布を含めて一回あたり100万円以上かかり、冊子形式では数百万円がかかる」と述べ、2千万円という規模が不当ではないと主張しています。藤田氏側の公設第1秘書が代表を務める受託会社は、この国政報告書の作成・配布を担当していたとされています。
ビジネス慣行の妥当性を主張
藤田氏が特に詳しく説明したのは、受託会社が印刷機を自前で所有していないという赤旗の指摘 に対する反論です。藤田氏は「大手広告代理店ですら必ずしも印刷機や輪転機を自己所有しているわけではなく、パートナー企業や下請け企業と協業して仕事全体をマネジメントしているのが通常の商流」だと述べ、赤旗の報道を「一般的なビジネス現場を無視した論理構成による悪質な印象操作」と批判しました。
さらに藤田氏は、受託会社の売上規模から見た場合、藤田氏との取引高は「極めて小さなもの」であることを付言。取引条件についても「仕様・作業量・納期等を踏まえた相場水準で設定しており、民間で同種の業務を委託される場合と同等の価格帯」だと主張しています。つまり、公設秘書が代表を務める企業への優遇措置があったわけではないという主張です。
赤旗の報道姿勢を強く非難
藤田氏の反論で最も強い言葉を使ったのが、赤旗の報道姿勢への批判です。藤田氏は「赤旗は公平性を重視するような報道機関ではなく、共産党のプロパガンダ紙」と明記。質問状への回答を「回答を全く反映しない記事を確認し、公平性が皆無だとよくよく認識しました」と述べ、報道プロセスにおける透明性と公平性の欠如を指摘しています。
この主張は、藤田氏が赤旗から質問状を受け、短期間の期限内に詳細な返答をしたにもかかわらず、その内容が記事に反映されなかったということを意味しています。藤田氏はSNS上で「記事には回答の全文は掲載されないようですので、赤旗さんからの質問状の返答内容を添付画像にて公開します」と述べ、自ら用意した説明資料を公表することで、赤旗の一方的な報道に対抗する戦略を取りました。
過去の政治資金疑惑との関連性
今回の疑惑報道は、藤田氏の過去の政治資金問題が再び浮き彫りになった形となっています。2023年9月には、週刊文春が藤田氏の後援会による文書通信交通滞在費60万円の政治資金収支報告書への不記載問題を報道。当時、藤田氏は「事務的なミス」として対処すると述べましたが、その説明は批判を招いています。
これは、藤田氏が代表・会計責任者の両方を務めている後援会における管理体制の甘さを指摘されたもので、今回の公設秘書が代表を務める会社への公金支出問題と相まって、政治家本人と秘書、そして関連企業との金銭関係の透明性が問われる 形となっています。
国民の注視が集まる中での反論
赤旗の報道後、SNS上では藤田氏に対して説明を求めるコメント投稿が相次いだため、今回の詳細な反論公表となりました。一方で、共産党公式Xは「『身を切る』どころか身内に税金還流?だから、裏金自民党とも組めるのか」と、自民党との連立政権樹立を控えた時期での報道であることの意図も示唆しています。
藤田氏の反論が妥当なのか、赤旗の疑惑指摘が根拠あるものなのか、国民・有権者の判断が試される局面となります。