2025-04-09 コメント投稿する ▼
「中国修学旅行は時期尚早」 西田薫氏、政府の“促進”表現に強く疑義
- 西田氏は「修学旅行相互受け入れ促進」という表現に異議を唱えた。
- 「誤解を与える表現」であり、子どもたちを危険に晒すおそれがあると懸念。
- 「警備を要するような場所に生徒を送ること自体が問題」との見解。
- 「政府は環境整備を先にすべき」として時期尚早を訴える。
- 外相は「強制ではない」と釈明し、表現の見直しを検討と応じた。
「危険を冒してまで行く必要があるのか」
西田氏は、近年中国国内で日本人が被害に遭った事件が複数発生していることを挙げ、「安全が担保されないまま、子どもたちを中国に送り込むような形になるのは、どう考えてもおかしい」と強調。「日本の子どもたちを守るのは政府の責任だ。今の国際情勢で、なぜ中国との修学旅行を“促進”する必要があるのか」と問いただした。
さらに、岩屋外相が過去の国会答弁で「中国当局による修学旅行生への警備の徹底」を説明したことに対し、西田氏は「警備が必要な場所に、あえて修学旅行に行かせる意味があるのか。そんな場所に行かせること自体が根本的に間違っているのではないか」と厳しく批判した。
「まずは両国の信頼回復を」
西田氏はまた、「両国の信頼関係が壊れている中で、子どもたちを人的交流の前線に立たせるべきではない」と述べ、「まずは政府間で信頼を再構築し、両国民の意識も改善されてから、その先に文化交流として修学旅行があるべきだ」と主張。「今はその段階ではない」として、相互受け入れ促進の合意そのものの見直しを求めた。
岩屋外相は釈明
これに対して岩屋外相は、「中国への修学旅行を学校に強制する意図はまったくない」と明言。「希望する学校があれば、安全確保などの支援を行う趣旨だ」と釈明したうえで、「外務省のホームページの表現についてもご指摘を踏まえて検討したい」と譲歩の姿勢を見せた。
自民党内からも懸念の声
西田氏の指摘に共鳴する声は他党にもある。自民党の有村治子元女性活躍担当相も3月24日の参院外交防衛委員会で、同様に「警戒レベルが高い中で、あえて中国への修学旅行を推進することは国民感情に逆行する」と政府方針に疑義を呈していた。
西田氏の主張は、「子どもたちの安全と国民感情を無視してまで外交パフォーマンスに走るべきではない」という一点に集約される。修学旅行という教育活動を通じた国際交流の意義は否定しないものの、「それは平和と信頼が築かれてからの話だ」と訴える姿勢には、多くの国民が共感を覚える可能性がある。政府はこの問題に対し、表現の修正にとどまらず、改めて外交方針の妥当性を検証する必要があるだろう。