2025-02-13 コメント投稿する ▼
清水氏、年金減額に警鐘 積立金活用で制度改革を提案
年金支給額の現状
現在の年金支給額は、物価上昇に追いついておらず、実質的な減額が進行している。特に、マクロ経済スライドの適用により、年金額の伸びが抑制されている。例えば、2024年度の年金額改定率は賃金変動率+3.1%がベースとなっているが、マクロ経済スライド調整率-0.4%が適用され、最終的な改定率は+2.7%となった。
マクロ経済スライドの影響
マクロ経済スライドは、少子高齢化に伴う年金財政の安定化を目的として、年金支給額の伸びを抑制する仕組みである。しかし、この調整により、受給者の生活水準が低下するとの指摘がある。特に、物価上昇が続く中で、年金支給額の実質的な目減りが問題視されている。
年金積立金の活用提案
清水氏は、約290兆円に上る年金積立金を活用し、マクロ経済スライドの中止を提案している。この提案は、積立金を基礎年金(1階部分)に重点的に活用することで、基礎年金の給付水準を引き上げ、受給者の生活を安定させることを目的としている。厚生労働省の資料によれば、マクロ経済スライドによる給付調整を早期に終了させることで、将来的には99.9%の受給者の給付水準が上昇するとの試算もある。
年金制度改革の必要性
現行の年金制度では、物価上昇や賃金変動に対する調整が行われているものの、受給者の生活実態に十分に対応できていないとの批判がある。清水氏の提案は、年金積立金の効果的な活用を通じて、高齢者だけでなく現役世代も安心して将来を迎えられる年金制度の構築を目指すものである。
清水氏は、これらの主張を広めるため、「増やそう年金宣伝」と題した活動を3箇所で展開する予定である。この活動を通じて、年金制度の改革に向けた議論がさらに活発化することが期待される。