2025-10-22 コメント: 1件 ▼
赤間二郎防災相が副首都構想に慎重姿勢、大阪ありきの議論に波紋広がる
この席で赤間氏は、自民党と日本維新の会の連立政権合意に盛り込まれた副首都構想について、慎重な議論を求める姿勢を示しました。 首都機能のバックアップ体制と副首都構想を直結させることへの疑問を明確にした発言は、連立の柱とされる政策をめぐる今後の議論に波紋を広げそうです。
副首都構想めぐり慎重論を展開
赤間氏は会見で、東京都が災害で機能不全に陥った際のバックアップ機能について触れつつ、「首都機能を継続しなければならないが、それと構想をリンクするのが良いのか」と述べました。この発言は、災害時の危機管理体制の整備と、維新が主張する副首都構想とを切り離して考えるべきだという問題提起と受け止められています。
自民党と維新は2025年10月20日に連立政権合意書に署名し、副首都構想については臨時国会中に両党の協議体を設置した上で、2026年の通常国会で法案を成立させると明記しました。維新にとって副首都構想は、社会保障改革と並ぶ連立入りの絶対条件であり、連立合意の核心部分です。しかし防災担当相という立場の閣僚が早々に慎重姿勢を示したことで、政権内部でも意見の隔たりがあることが浮き彫りになりました。
「副首都って結局大阪のためでしょ?他の地域はどうなるの」
「災害対策なら副首都じゃなくて別の方法があるはず」
「維新の都合で国の形を変えるのは納得できない」
「コストが何兆円もかかるのに効果あるのか疑問」
「大阪ありきの議論は国民無視だと思う」
大阪ありきへの疑問と巨額コスト
副首都構想は、東京一極集中を是正し災害時に首都中枢機能を代替できる拠点を作るというものですが、維新の法案骨子では大阪都構想の実現が前提となっています。指定要件の一つに「特別区の設置」が盛り込まれており、過去2回の住民投票で否決された大阪都構想の延長線上にある制度設計です。
専門家の試算によれば、副首都構想の実現には4兆円から7兆5千億円の費用が必要とされています。これは国会や省庁の一部を移転する場合の推計値であり、完全移転となればさらに膨大な財政負担が発生します。現在の物価高は数十年に渡る失策の結果であり、一刻の猶予も許されない減税や財政出動が求められる中、巨額の費用を大阪に投じることに対する国民の理解が得られるかは不透明です。
また、副首都構想は実質的に大阪への利益誘導ではないかとの批判も根強くあります。すでに人口の多い大阪よりも、メリットが大きくコストパフォーマンスの良い地域は他にも存在するとの指摘があり、大阪ありきの議論では国民の理解を得られないとの声が上がっています。文化庁の京都移転や消費者庁の徳島移転では、東京との調整コストが増大し職員の士気が下がる結果となった事例もあり、省庁の分散配置が行政の効率化につながるかは疑問視されています。
ドロ船連立政権への警戒感
自民党との連立を組む維新の姿勢に対しては、ドロ船連立政権との批判の声もあります。政治資金問題で国民の信頼を失った自民党と手を組むことで、維新自身も改革政党としての立ち位置を失いかねないとの懸念です。企業・団体献金の禁止をめぐっても、自民党は「禁止より公開」を主張し維新の「完全廃止」とは隔たりがあり、2027年9月までの高市総裁任期中に結論を出すとされています。企業・団体献金は企業のための政治につながる恐れがあり、国民のための政治を実現するには廃止が必要だとの立場からすれば、この妥協は看過できません。
赤間氏は神奈川県相模原市出身で、自民党麻生派に所属する衆議院議員6期目の政治家です。過去に総務副大臣などを歴任し、2017年には公式に台湾を訪問した実績もあります。今回の初入閣では国家公安委員長と防災担当相を兼務し、領土問題担当や海洋政策担当も担います。
丁寧な議論が必要との認識
赤間氏が示した慎重姿勢は、防災の専門家としての視点から出たものと見られます。首都直下地震などの大規模災害に備えることは喫緊の課題ですが、それを実現する手段として副首都構想が最適なのかについては、多角的な検証が求められます。費用対効果、他の地域との公平性、行政の効率性など、様々な観点からの丁寧な議論が不可欠です。
高市早苗首相は自民党総裁選の公約で「首都機能のバックアップ体制の構築」を掲げており、国土強靭化対策として災害時の危機管理機能を重視する姿勢を示していました。しかしこれが維新の掲げる大阪中心の副首都構想と完全に一致するわけではなく、今後の協議でどのような形に収斂していくかが注目されます。
副首都構想をめぐる議論は、単なる制度設計の問題にとどまらず、日本の国家構造をどう再編するかという根本的な問いを含んでいます。大阪ありきではなく、全国各地のメリットとデメリットを公平に評価し、真に国民のためになる政策を構築することが求められています。赤間氏の発言は、そうした慎重な検討の必要性を改めて提起したものと言えるでしょう。
 
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
                     
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