2025-09-04 コメント: 1件 ▼
公明党が現金給付「公約通りに」主張 所得制限付きなら反対を貫け、国民は減税求める
公明党、現金給付「公約通りに」強調 政府は検討姿勢も与党機能不全で先行き不透明
公明党の岡本三成政調会長は4日の党中央幹事会で、物価高対策として参院選公約に掲げた「国民一律2万円給付」について、「給付対象を巡る議論はあるが、公約通り実現を目指す」と表明した。赤羽一嘉中央幹事会長が会合後に記者団へ説明した。
一方、林芳正官房長官は記者会見で石破茂首相の指示を踏まえ、「政府としても検討を進めていく」と述べた。物価高や米国による関税措置への対応をにらみ、追加経済対策の一環として現金給付が検討対象となっているが、所得制限を設ける案も浮上している。
公明党の「公約堅持」アピール
岡本氏は「参院選で掲げた公約に忠実であることが政治への信頼につながる」と強調し、公明党が選挙戦で有権者に約束した政策を守る姿勢を示した。背景には、与党の一角として自民党との違いを鮮明にしつつ、独自の存在感をアピールする狙いもあるとみられる。
しかし、自民党内から浮上している「所得制限付きの給付案」は、明らかに参院選公約の「一律給付」とは相反する。もし公明党が本当に「公約通り」を貫くのであれば、こうした所得制限付きの給付に対しては明確に反対の立場をとるべきだ。選挙で掲げた約束を守らずに修正した給付策を容認すれば、有権者との信頼関係は一層損なわれるだろう。
政府の検討姿勢と与党内の混乱
林官房長官は「物価上昇を上回る賃上げが実現するまでの間、幅広い協議が必要だ」と述べ、与野党を超えた議論を呼びかけた。石破首相も週内に追加経済対策の策定を関係省庁に指示する見通しだ。
だが、自民党では参院選大敗を受け、政調会長の小野寺五典氏が辞意を表明し、党執行部の機能不全が表面化している。与野党協議の推進役を欠く中で、現金給付を含む経済対策の合意形成は難航が予想される。
給付金頼みの限界と国民の要求
現金給付は短期的な生活支援にはつながるが、物価高や賃金停滞という構造問題を解決する手段にはなり得ない。繰り返される「給付金頼み」の対応は、国民から「また選挙目当ての場当たり政策だ」と批判されている。
根本的に必要なのは、消費税や所得税の減税によって可処分所得を安定的に引き上げる仕組みだ。給付金は一度支給すれば終わりだが、減税は国民生活の底上げにつながる。国民は「財源を探して減税を望んでいるのではなく、そもそも取りすぎた税を返してほしい」と訴えている。
それを無視して繰り返される現金給付政策は、政治不信を深める要因になりかねない。
減税なき給付金政策の危うさ
与党内が「泥舟政権」と呼ばれるほど混乱を極める中で、公明党が「公約通りの給付金」を求めても、国民の支持が広がる保証はない。むしろ、国民が本当に求めている減税議論を避け続けるなら、次の選挙で厳しい審判を下される可能性が高い。
特に公明党は、もし自民党が所得制限を付けた「公約違反の給付」に傾くならば、それを認めず反対に回るべきだ。有権者に約束した「一律給付」を貫かないのであれば、政党としての信頼性を自ら失うことになる。
給付金政策の是非は、単なる経済対策を超え、政治の信頼回復に直結する問題である。石破政権と与党は今こそ「減税か給付金か」という根本論争に正面から向き合う必要がある。