2026-04-08 コメント投稿する ▼
長妻昭議員がトランス脂肪酸規制を迫る 大臣は原稿読み続け「役人の言いなり」ヤジ
日本は諸外国と異なり、トランス脂肪酸の含有量の規制も表示義務も存在しない点を確認し、「中国にも遅れている」と指摘しました。 黄川田大臣は「日本人の大多数のトランス脂肪酸摂取量はWHOの基準であるエネルギー比1%未満であり、通常の食生活では健康への影響は小さい」とする2012年の食品安全委員会の評価を繰り返しました。
長妻昭議員がトランス脂肪酸規制を迫った衆院内閣委 黄川田大臣は原稿を手放せず「役人の言いなり」のヤジ飛ぶ
2026年4月8日、衆議院内閣委員会で、トランス脂肪酸の規制をめぐる白熱した質疑が行われました。中道改革連合(中道)所属で元厚生労働大臣の長妻昭衆院議員(65)が、黄川田仁志こども政策担当大臣に規制の必要性を訴えたものの、大臣は官僚が用意した原稿を読み続け、具体的な踏み込みを避けました。議場では「役人の言いなりだな」というヤジが飛び、改めて日本の食品安全行政の停滞ぶりが浮き彫りになりました。
「消えた年金」から食の安全へ 10選の長妻昭議員とは
「ミスター年金」の異名で知られ、消えた年金問題を国会で徹底追及してきた長妻氏は、1960年生まれの65歳。慶應義塾大学卒業後、日本電気(NEC)に入社し、その後日経ビジネスの記者を経て、2000年の衆院選で初当選を果たしました。鳩山由紀夫内閣で第11代厚生労働大臣を務めた経験を持ち、社会保障政策に精通する重鎮議員です。2026年1月に立憲民主党を離党して中道改革連合に参加し、同年2月の衆院選では小選挙区で敗れたものの比例復活で10選を果たしました。
「中国にも遅れている」日本のトランス脂肪酸規制の実態
この日の質疑で、長妻氏はまず「トランス脂肪酸は体にどういうふうに悪いのか?」と問いかけました。黄川田大臣が「冠動脈疾患の発症の増加の可能性、肥満及びアレルギー性疾患との関連が認められる」と答えると、長妻氏は続けて核心を突く質問をしました。日本は諸外国と異なり、トランス脂肪酸の含有量の規制も表示義務も存在しない点を確認し、「中国にも遅れている」と指摘しました。
トランス脂肪酸とは、植物油に水素を添加する加工の過程で生まれる人工的な油の一種で、マーガリン、ショートニング、それらを使ったパン・菓子・揚げ物などに含まれます。多く摂取すると冠動脈疾患(心筋梗塞など)のリスクを高めることが科学的に認められており、世界保健機関(WHO)は摂取量を総エネルギーの1%未満に抑えるよう勧告しています。アメリカでは2018年に食品への使用を事実上禁止し、欧州連合(EU)加盟国やシンガポールでは含有量の上限値を設けて表示を義務化、韓国・中国・香港でも表示が義務付けられています。WHOは2025年時点で世界人口の46%を占める約60カ国がベストプラクティス政策を実施していると報告しており、先進国の中で日本の対応は際立って遅れています。
「諸外国はとっくに規制しているのに、なぜ日本だけいつまでも動けないのか。子どもに食べさせるものなのに不安です」
「長妻さんが言う通り、大臣が原稿を読むだけなら意味がない。政治家が決断しなければ何も変わらない」
「業界との関係で動けないっていうのを大臣自身が公の場で認める構図、これが日本の政治の問題そのものだと思う」
「中国より遅れているとはさすがに衝撃。国民の健康より食品業界を優先しているとしか思えない」
「トランス脂肪酸の表示すらないから自分で選択しようにも選択できない。最低限、表示義務だけでも先にやってほしい」
「大臣がトップダウンで言えば動く」 官僚答弁から出られなかった黄川田大臣
黄川田大臣は「日本人の大多数のトランス脂肪酸摂取量はWHOの基準であるエネルギー比1%未満であり、通常の食生活では健康への影響は小さい」とする2012年の食品安全委員会の評価を繰り返しました。長妻氏がさらに「他の国も1%未満なのに規制している。日本はなぜかけていないのか?」と問い直すと、大臣は食品表示法の3要件を持ち出し、「現時点ではこの要件を満たすとは言えない」と答えました。
これに対し長妻氏は「質問に答えていない。法律は変えればいい。与野党で対決する話ではない。大臣がトップダウンで『検討しろ』とここで言えば物事が動く」と強く訴えました。「原稿を読まずに、ご自身の意見はどうか」と迫られた大臣は、視線を落とす頻度をやや抑えながらも「健康への被害は小さいと考えており、特に基準を設ける必要はない」という官僚答弁の域を出ませんでした。
この問題の本質は、日本の食品安全行政が業界との関係で「ボトムアップでは動かない」という構造的な課題を抱えていることです。長妻氏自身が「役所はいろいろな利害関係、業界からの関係もあって動けない。大臣がトップダウンで言えば物事が動く」と述べたように、規制が遅れる背景には食品業界の影響力があると指摘されています。企業・団体献金が政治に与える影響は、まさにこうした場面にこそ表れます。国民の健康より業界の利益を優先するような政治は根本から改めるべきです。
アメリカでは2006年の表示義務化以降、消費者の意識が変わり、国内のトランス脂肪酸消費量が大幅に減少した実績があります。表示義務化だけでも、企業が自主的に含有量を削減する強い動機となることが証明されています。国民の健康を守ることを最優先に考えるならば、政府は早急にトランス脂肪酸の表示義務化に向けた検討に踏み出すべきです。
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まとめ
- 2026年4月8日の衆議院内閣委員会で、中道改革連合・長妻昭議員(65)がトランス脂肪酸規制の必要性を黄川田大臣に追及
- 日本はアメリカ・EU・韓国・中国・香港などと異なり、トランス脂肪酸の含有量規制も表示義務も存在しない。世界60カ国近くがWHO推奨の対策を実施済み
- 黄川田大臣は「健康への影響は小さい」という官僚答弁を繰り返し、長妻氏の「原稿を読まずに自分の意見を」という求めにも具体的な決断を示さなかった
- 長妻氏は「業界との関係で役所は動けない。大臣のトップダウンが必要」と訴え。企業・団体献金の影響が食品安全行政の停滞を招いているとの見方がある
- 議場では「役人の言いなり」のヤジが飛び、日本の食の安全をめぐる政治的課題が改めて浮き彫りになった