安和桟橋警備員死亡訴訟に新垣よしとよ氏「他者に責任転嫁は理解に苦しむ」

安和桟橋の警備員死亡訴訟に新垣よしとよ氏「他者に責任転嫁は理解に苦しむ」

沖縄県名護市の安和桟橋で、職務中の警備員が抗議活動中の車両にはねられ死亡した事件をめぐり、加害側とされる女性が警備会社や運転手に損害賠償を求めて提訴したことが報じられました。これに対し、自民党の新垣よしとよ県議が「到底理解に苦しむ」と強い言葉で反応しました。

新垣氏は、自身のSNSで「亡くなられた警備員は危険を承知で現場の安全を守ろうとし、結果として命を落とされた」と述べ、殉職した男性への敬意を表しました。その上で、「事故の原因は今後の調査を待つべきものですが、結果を待つ前に他者に全ての責任を転嫁するような訴訟が起こされたことは理解に苦しみます」と訴えました。

抗議の自由と公共の安全　どちらも守る責任

安和桟橋では、米軍基地建設に関連する土砂搬入をめぐり、長期間にわたり抗議活動が続いています。一部の活動家が車両で封鎖を試みたり、搬入作業を阻止しようとする場面もあり、警備員や作業員との衝突が問題化していました。今回亡くなった警備員は、現場の安全確保にあたっていたとされています。

新垣氏は「抗議の自由は民主社会において尊重されるべきだが、その権利は他者の犠牲の上に成り立つものではありません」と指摘しました。この言葉には、抗議の権利を守る立場を否定するものではなく、「命の尊厳を軽んじてはならない」という警告の意味が込められています。

「動画を見れば誰が加害者なのかは明らか」
「責任をすべて他人に押しつけるような訴訟は理解に苦しむ」
「抗議の自由は他者の犠牲の上に成り立つものではない」
「民主社会では権利と責任は常に両立すべきです」
「犠牲の上に正義は築けません」

「抗議のためなら何をしても良い」風潮に警鐘

この事件では、抗議行動が過激化したことによる危険性も指摘されています。新垣氏は、思想信条の違いを理由に他者の安全を脅かす行動が「正義」として扱われる風潮に強い懸念を示しました。

「権利の主張と他者への配慮を両立できる社会でなければ、真の民主主義とは言えません」とし、今後の議論が感情的な対立ではなく、社会全体の安全と秩序を重んじる方向へ進むよう呼びかけました。

問われる社会の成熟　命を守るための線引きを

安和桟橋の事故は、抗議運動のあり方や公務・警備の安全確保について、社会が改めて考える契機となっています。事件後も抗議活動は続いており、再発防止策や法的責任の所在をどう整理するかが焦点となっています。

新垣氏の発言は、抗議活動を否定するものではなく、「命を軽視する行為を容認してはいけない」というメッセージとして広く受け止められています。抗議と安全、表現の自由と他者の権利──その両立がいま問われています。