2025-08-24 コメント投稿する ▼
宮本徹氏「侵略戦争の反省を」 核抑止を否定し東アジア平和枠組みを提唱
「日本がアメリカの戦争に巻き込まれるリスクはかつてなく高まっている」とし、安保法制の廃止を求めた上で「アメリカいいなりから脱却し、東アジア全体で平和の枠組みを築くことが大切だ」と訴えた。 政府も中国も支持を示しているとし、「地域全体で対話と信頼を積み重ねていくことが安全保障の本筋だ」と訴えた。
共産・宮本徹氏「侵略戦争の反省を」 朝生で歴史認識と安保政策を議論
24日夜放送のBS朝日「朝まで生テレビ!」では、日本の歴史認識や安全保障政策をめぐり、各党の国会議員が激論を交わした。その中で日本共産党の宮本徹前衆院議員は、安倍晋三元首相による2015年の戦後70年談話について「侵略や植民地支配の主体が日本であったことを明示しておらず、極めて不十分だった」と批判。「アジアで2000万人の命を奪った歴史への反省を示していくことこそ、真の友好関係を築く力になる」と主張した。
宮本氏はさらに、安倍政権以降、政府が歴史教育に介入してきたと指摘し「加害の歴史を学ぶことは避けてはならない」と強調した。
核抑止論をめぐる対立
討論では核抑止を支持する自民党の松川るい参院議員と宮本氏の間で意見が対立した。松川氏が「核の傘による抑止は現実的な安全保障」と述べたのに対し、宮本氏は「核抑止論はいざというときに核を使うことが前提であり、人間は間違いを起こし機械は壊れる。核抑止とはフィクションだ」と反論。
さらに、国連で成立した核兵器禁止条約を引き合いに「核廃絶へ向けた世界の流れに日本も加わるべきだ」と訴えた。「核の傘に依存し続ける限り、核兵器を保有する国々に『やめましょう』とは言えない」と指摘し、核抑止依存からの脱却を求めた。
安保法制と台湾有事リスク
宮本氏は2015年に成立した安保法制についても批判的な立場を示した。同法制に基づき、昨年から自衛隊と米軍が「台湾有事」を想定した共同演習を開始していることを挙げ「米軍が攻撃された場合、自衛隊が一緒に戦うシナリオが現実味を帯びてきた」と警鐘を鳴らした。
「日本がアメリカの戦争に巻き込まれるリスクはかつてなく高まっている」とし、安保法制の廃止を求めた上で「アメリカいいなりから脱却し、東アジア全体で平和の枠組みを築くことが大切だ」と訴えた。
東アジアに平和の枠組みを
宮本氏はASEAN(東南アジア諸国連合)が築いてきた地域協力の枠組みを例に挙げ「日本と中国も含めた東アジアでの平和的な地域協力を推進すべきだ」と提案した。政府も中国も支持を示しているとし、「地域全体で対話と信頼を積み重ねていくことが安全保障の本筋だ」と訴えた。
ネット上でも議論は広がり、次のような声が見られた。
「侵略の反省なくして友好はあり得ない」
「核抑止を現実的とする考えは危うい」
「アメリカ依存の安保体制からの脱却は必要」
「ASEANのような枠組みを東アジアにも」
「日本政府は歴史教育への介入をやめるべき」
侵略戦争の反省と核依存脱却が問う日本の進路
宮本徹氏の発言は、日本が「侵略の歴史を直視し、反省を示すこと」「核依存から脱却すること」「アメリカ一辺倒から地域的な平和協力へシフトすること」を柱として掲げている。石破政権が進める安全保障政策が強化路線に傾く中、こうした視点は国内外における日本の立ち位置を問う論点となるだろう。
侵略戦争の反省をどう表現するのか、核抑止をどう評価するのか。議論は今後も続く見通しだ。