2025-07-27 コメント投稿する ▼
自民・木原誠二氏が野党との事前協議に意欲 過半数割れで多数派形成へ現実路線に転換
「衆参少数与党」で現実路線へ 木原氏が協調姿勢強調
参院選で与党が過半数を割り込んだ現実を受け、自民党選挙対策委員長の木原誠二氏は、27日放送のNHK番組で野党との事前協議に積極姿勢を示した。これまでの「与党内一本化による法案提出」から、「政策の事前協議と合意形成」へと姿勢を転換する考えを表明した。
木原氏は番組内で、「いかなる政策を実現する上でも、野党と丁寧に合意形成を図ることが極めて重要だ」と述べた上で、「国会に至る前の段階、つまり法案提出以前の協議こそ必要」とし、個別政策ごとに歩み寄りを模索する考えを明確にした。
この発言は、自民・公明による連立与党が衆参両院でいずれも少数に転じた現状を踏まえ、政策実現のためには一部野党の協力を得る「部分連携」の路線に現実的にかじを切る動きとみられる。
「やっと丁寧な政治に戻るなら、それは一歩前進」
「“話し合う”って当たり前のことが今までなかった」
「選挙負けてやっと謙虚になるのが遅すぎる」
「与党が数を失って、やっと野党の声を聞くのか」
「合意形成って、政党の仕事の基本でしょ」
ガソリン税・消費税減税も協議の焦点に
同番組に出演した立憲民主党の大串博志代表代行は、物価高騰対策の一環として「ガソリン税の暫定税率廃止や消費税減税」などの野党側の主張を挙げ、「野党第1党として議論を主導し、実現を図りたい」と明言した。
これに対し木原氏は明確な賛否を示さなかったが、「国民生活に直結する課題は政党間の壁を超えて議論すべき」と、前向きな協議姿勢をにじませた。
従来、政府・与党内ではガソリン税の見直しや消費税減税には否定的な声が多かったが、過半数割れによる議席の不安定化が、野党提案の政策を無視できない状況を生みつつある。
“ねじれ”の中で試される政党の成熟度
ねじれ国会の状況下では、法案審議が停滞するだけでなく、国政全体の信頼も低下する。今回、木原氏が打ち出した「事前協議による合意形成」は、政党間の溝を埋め、国会の機能不全を防ぐ現実的手段として注目される。
ただし、「協議姿勢」は選挙での敗北によってようやく現れたものであり、本質的な体質改善と見るか、選挙対策の一時的な対応と見るかは、今後の実行力によって判断されるだろう。
また、合意形成を目指すといっても、理念や政策の根本で対立する課題については、調整の困難さが残る。特に外交安全保障や移民政策などでは、政党間で明確にスタンスが異なるため、“どこまで歩み寄れるか”が問われることになる。
“勝てる野党”との協議に限定か 多数派工作の現実
木原氏の発言の裏には、「すべての野党」とではなく、「協力可能な野党」との連携を意識していると見られる。かつて是々非々の立場を取ってきた国民民主党や、日本維新の会とは比較的政策協議が進みやすいとされており、そうした“部分連合”が現実的な路線となる可能性が高い。
逆に、共産党やれいわ新選組など、路線が大きく異なる野党との協議には消極的とみられており、「野党との協議姿勢」が与野党全体の協調につながるかどうかはなお不透明だ。