2025-12-12 コメント投稿する ▼
松本洋平文科相が特別支援学校除外問題で全省調査、46万人排除の差別構造が露呈
文部科学省が18歳人口の集計などから特別支援学校(特支)卒業者を除外していた問題で、松本洋平氏(文部科学大臣)は2025年12月12日の閣議後記者会見で、学校基本調査以外でも不適切な理由で特支の児童生徒が除外されているケースがないかを全部署で洗い出す作業を進めていると明らかにしました。 しかし、他の調査でも特支の児童生徒が除外されるケースが次々と明らかになっています。
差別の構造が明るみに
文科相が特別支援学校生除外を全省規模で調査、松本洋平氏「適切でない」と謝罪も教育行政の根深い問題が露呈
文部科学省が18歳人口の集計などから特別支援学校(特支)卒業者を除外していた問題で、松本洋平氏(文部科学大臣)は2025年12月12日の閣議後記者会見で、学校基本調査以外でも不適切な理由で特支の児童生徒が除外されているケースがないかを全部署で洗い出す作業を進めていると明らかにしました。この問題は単なる統計の誤りではなく、教育行政における構造的な差別意識を浮き彫りにした深刻な事案です。
問題の全容解明へ省内全部署で調査
松本大臣は「学校基本調査だけでなく、その他も確認し、調査をするようにという指示を出している。過去の経緯の確認含めて調査作業を進めており、終了次第、速やかに公表含めて適切に対応したい」と述べました。関係者によると、省内の全部署に特支のデータを適切に反映していない調査や統計がないかどうかを照会しているということです。
この除外問題の深刻さは、1954年度から2024年度までの71年間で約46万人の特別支援学校卒業者が18歳人口から除外されていたことです。大学進学率は18歳人口を分母として算出されるため、特支卒業者の除外により実際より高い進学率が公表されてきました。例えば2024年度の大学進学率は公表値59.1パーセントでしたが、特支卒業者を含めると58.6パーセントに下がります。
文科省はこの問題について、学校基本調査では18歳人口の算出方法を見直すとともに過去にさかのぼって再集計を進めています。しかし、他の調査でも特支の児童生徒が除外されるケースが次々と明らかになっています。
「46万人も除外されてたって、これは差別じゃないの」
「大学進学率を高く見せるために障害者をいないことにしてたってこと?」
「文科省がこれじゃあ、インクルーシブ教育なんて無理でしょ」
「統計から排除するって、社会から排除してるのと同じ」
「71年間も続けてた差別が今頃発覚って、どういうことよ」
他の調査でも除外が常態化
特に深刻なのは、問題行動・不登校調査でも特支の児童生徒の暴力行為や自殺などが集計対象となっていないことです。この調査は毎年文科省が実施し、いじめや暴力行為などの件数を集計する重要な統計です。小・中・高等学校の暴力行為や自殺は対象となっているにも関わらず、特別支援学校だけが除外されています。
また、高校卒業段階での就職(内定)率についても、高校と中等教育学校は就職希望者を分母として年3回調査されているのに対し、特支については別の調査で高等部卒業者を分母として把握・公表されています。この別扱いは、同じ教育を受ける生徒でありながら統計上は区別して扱うという差別的な取り扱いを示しています。
国の重要統計で差別が常態化
学校基本調査は国が重要とする「基幹統計」の一つであり、学校数や在学者数、卒業後の進路状況などを各学校から聞き取って調べています。この基幹統計で障害のある生徒を除外することは、国の教育政策そのものに影響を与える重大な問題です。
中央教育審議会(文科相の諮問機関)でも参照される18歳人口は、教育政策の重要指標として使われてきました。特別支援学校の卒業者数は年々増加傾向にあり、その除外が統計の信頼性に与える影響は無視できないものとなっています。
文科省の担当者は支援学校除外の理由を「特別支援学校では就学猶予によって年齢と学年が一致しないことがある」と説明していますが、これは合理的な理由とは言えません。年齢と学年の不一致は通常の学校でも起こりうることであり、特別支援学校だけを除外する根拠にはなりません。
この問題の根底には、企業・団体献金を禁止するというなら、まず教育行政における差別意識の解消が必要です。統計から特定の集団を排除することは、その集団の存在を軽視し、政策判断から除外することにつながります。国民の税負担で運営される教育行政において、このような差別的取り扱いは絶対に許されません。