2026-02-15 コメント投稿する ▼
六ケ所村長に橋本隆春氏初当選、核燃サイクル推進掲げ圧勝
青森県六ケ所村長選が2026年2月15日に投開票され、元村議の橋本隆春氏が核燃料サイクル事業の推進を掲げて初当選しました。対立候補の高木章次氏は反核燃を訴えましたが、橋本氏が4316票対167票と圧倒的な大差をつけました。投票率は55.25%で前回を4.8ポイント下回り、1967年以降で最低となりました。六ケ所村には1993年に着工した核燃料再処理工場があり、完成延期を27回繰り返しており、現在は2026年度内の完成を目指しています。前村長の戸田衛氏が病気療養のため辞職したことに伴う選挙でした。
橋本氏が圧勝、投票率は過去最低
開票結果は橋本隆春氏が4316票、高木章次氏が167票でした。橋本氏は対立候補に4000票以上の大差をつけて初当選しました。高木氏は前回の村長選で反核燃を訴えた候補が獲得した246票を79票下回る結果となり、反核燃・脱原発の訴えは村民に浸透しませんでした。
投票率は55.25%で、2022年の前回村長選を4.8ポイント下回り、記録の残る1967年以降で最低となりました。有権者数は8210人で、投票者数は4536人でした。
橋本氏は六ケ所村尾駮の事務所で午後8時15分ごろに当選確実が伝えられ、支持者から拍手が起きました。橋本氏は「村のかじ取り役として本当に身が引き締まる思いです。これから課題解決に向けて一生懸命頑張っていきたい」とあいさつしました。
「核燃推進以外に村の生き残る道はない。現実的な選択だ」
「反対派は167票か。少数意見も大切にしてほしい」
「完成延期27回の再処理工場、今度こそ動くのか」
「投票率が過去最低って、村民の関心が薄れてるのでは」
「国策に協力してきた村の歴史を考えれば当然の結果」
核燃料サイクル事業の推進を公約
橋本氏は「村は日本のエネルギーの根幹を担う国策に協力し、発展してきた」と強調し、公約に核燃料サイクル事業の堅持、核融合発電の原型炉誘致、第1次産業推進、防災対策強化、子育て支援の充実、スポーツ振興による村おこしなど6項目を盛り込みました。
村議会全3会派が選挙対策本部に参画し、村内企業の関係者も支援しました。組織を固めて票に結びつけた形です。橋本氏は当選後の取材に対し、核燃料サイクル政策については「安心・安全を第一義に」と強調しました。その上で「原子力については、今来ている返還廃棄物などさまざまな問題がある。しっかり電気事業者の方々と話をしていきたい」と述べ、再処理工場の早期完成を求める姿勢を示しました。
27回の延期を繰り返す再処理工場
六ケ所村には、日本原燃が運営する使用済み核燃料再処理工場があります。原発の使用済み核燃料からウランとプルトニウムを取り出し、再び原発で使用する核燃料サイクルの中核施設です。
再処理工場は1993年に着工しましたが、トラブルや原子力規制委員会の審査対応などで完成延期を繰り返しています。延期は27回に及び、現在は2026年度内の完成を目指しています。当初は1997年の完成を予定していましたが、30年以上たった今も稼働していません。
2024年8月、日本原燃は完成時期を約2年半延期して2026年度末にすると発表しました。この際、青森県の宮下宗一郎知事は「新たな工程を示しても信頼できない」と非難し、当時の戸田衛村長も「地域の経済対策、地域振興など、関係するすべての対策に万全を期すこと」と注文をつけていました。
総事業費は約14兆4000億円に膨らんでおり、新規制基準への対応や工場完成の遅れが影響しています。電気料金を通じて国民が負担している形です。
前村長の辞職に伴う選挙
今回の選挙は、戸田衛前村長が3期目の途中で病気療養のため辞職したことに伴うものです。戸田氏は79歳でした。
橋本氏は村政継承を掲げ、前村長の路線を引き継ぐ姿勢を示しました。一方、高木章次氏は元鹿児島県いちき串木野市議で、反核燃・脱原発の運動をする県内外の人たちの支援を受けましたが、村民の支持は広がりませんでした。高木氏は開票後、「167人が反核燃の意思表示をした。結果は残念だが有意義だった」と振り返りました。
六ケ所村では、核燃料サイクル関連施設の誘致により、多額の交付金や雇用創出による地域振興が図られてきました。1985年に青森県・六ケ所村と事業者との基本協定が締結されてから40年が経過し、日本原燃グループの投資による地元企業の受注額は累計で約1兆円に達しています。
村のタクシー運転手が「日本原燃さんの施設がなければ、六ケ所村は本当に衰退していたと思いますよ」と語るように、核燃料サイクル施設は村の経済を支える存在となっています。
橋本新村長は、核燃料サイクル事業の推進を掲げながらも、安全性の確保や地域振興策の充実に取り組むことになります。再処理工場の完成が実現するかどうか、そして村の将来がどう展開するか、注目が集まっています。