2025-08-16 コメント投稿する ▼
公約首里城火災の原因と責任追及 住民訴訟で浮上する「延長コード短絡説」と管理体制の甘さ
首里城火災、原因究明と責任追及の行方
沖縄の象徴「赤い王宮」が、一夜にして炎に包まれた。令和元年10月31日未明、那覇市の首里城で発生した火災は、正殿をはじめ主要建物7棟を焼失し、文化財も失われた。この火災の原因と責任の所在をめぐり、住民が沖縄県に対して訴訟を起こし、全国的な注目を集めている。
原告となった県内の住民8人は、首里城の管理を担っていた指定管理者・沖縄美ら島財団が防火管理上の注意義務を怠ったとして、県に対し約2億円の損害賠償を請求するよう求めた。訴訟は単なる賠償請求にとどまらず、火災の原因を司法の場で明らかにしようという狙いがある。
「コードの短絡」が原因との証言
火災原因の調査を担当した那覇市消防局は、令和2年3月の報告で「焼損が激しく特定は困難」と結論づけた。ただし、正殿1階の延長コードが出火原因となった可能性は指摘されていた。
今月7日の那覇地裁で証人として出廷した火災分析の専門家、鍵谷司氏は「火災原因は照明につながるコードのショート以外考えられない」と証言。延長コードが通行人に踏まれるなどして損傷し、銅線が断線した可能性を指摘した。さらに、現場で見つかった照明用コードには溶融痕があり、これは火災の熱ではなく、ショートによる発熱が原因と強調した。
鍵谷氏はまた、消防当局が実施した燃焼実験にも疑問を呈した。「炭火を使って加熱するという実験方法は科学的に不適切だ」と述べ、原因特定を曖昧にした当局の対応を批判した。
住民の不信と調査批判
原告側代理人の徳永信一弁護士も「調査結果は『原因不明』にするための論法だった」と批判。原告の一人である男性は「延長コードのコンセントを抜いていれば首里城は燃えなかった。原因があやふやなまま再建だけが進むのは納得できない」と語り、訴訟を通じて真相解明を求める姿勢を崩していない。
ネット上でも、調査結果や管理体制に対する疑問の声が広がっている。
「あれだけの施設にスプリンクラーがなかったのは信じられない」
「文化財を管理する責任が果たされていない」
「原因不明のまま再建では同じことが繰り返される」
「延長コードで大切な城が燃えるなんて杜撰すぎる」
「県と財団はもっと説明責任を果たすべきだ」
繰り返される焼失の歴史
首里城は15〜16世紀に建てられた琉球王国の王宮であり、政治や文化の中心だった。しかし、創建以来、火災や戦争で焼失すること5回。令和の時代に起きた今回の火災は、管理体制の甘さを浮き彫りにした。
火災当時、正殿にはスプリンクラーが設置されておらず、鎮火までに約11時間を要した。沖縄美ら島財団が文化財の管理を委託されていたが、防火体制の不備が指摘されている。
再建と司法判断への注目
現在、首里城は復元工事が進んでおり、8年秋の完成を目指している。だが、火災原因が曖昧なまま再建が進むことに疑問を抱く住民は少なくない。再発防止策や責任所在を明確にすることなく進む復元工事は、文化財保護の姿勢そのものを問う問題となっている。
司法の場で火災原因と責任の所在がどこまで明らかにされるかは不透明だが、地裁の判断は再建計画や文化財管理のあり方に影響を及ぼす可能性がある。沖縄の象徴を未来へ引き継ぐためにも、原因究明と責任追及は避けて通れない課題である。
この投稿は玉城デニーの公約「一日も早い首里城の復旧・復興に全力で取り組む。」に関連する活動情報です。この公約は点の得点で、公約偏差値、達成率は0%と評価されています。