2025-07-28 コメント投稿する ▼
不動産ファンドのダイムラー・コーポレーションが破産 沖縄「ジャングリア」関連ヴィラ開発で負債3.3億円
横浜の不動産ファンド「ダイムラー・コーポレーション」が破産 沖縄ジャングリア期待も裏目に 負債3.3億円
“ジャングリア需要”を狙った民泊開発が頓挫 出資金返済困難か
不動産ファンドやクラウドファンディングを手がけていた横浜市の「ダイムラー・コーポレーション」が7月15日、横浜地裁から破産開始決定を受けていたことが28日までに明らかになった。負債総額は約3億3千万円、債権者数は約300人にのぼる。
同社は沖縄本島北部の本部町瀬底島や今帰仁村で、テーマパーク「ジャングリア沖縄」の開業を見込んだリゾート開発事業を進めており、とりわけ「プールヴィラ瀬底島」「プールヴィラ済井出(すむいで)」といった民泊施設の運営・開発に力を入れていた。
中でも「プールヴィラ済井出」の開発にあたっては、クラウドファンディング形式で出資を募り、今年6月に第4期ファンドの募集を締め切ったばかり。予定利回り8%、2026年6月償還予定とされていたが、今回の破産で返済の見通しは立っていない。
“高利回り”の陰で膨らむ債務 子会社とも連絡途絶
名護市を中心に計画されていたファンド事業では、すでに第1~第3期で土地取得費などを目的に資金を集めていた。しかし、ジャングリア開業の遅れや観光需要の先細り、加えて建築資材高騰なども直撃。クラウドファンディングを通じて投資家に約束された利回りを維持できるだけの収益基盤を築けず、債務超過に転落した。
さらに、事業の中核を担っていた代表者が2025年6月に急逝。後継体制が整わない中で、子会社の「ダイムラー・オキナワ」(沖縄県北谷町)も含め、現在は親会社・子会社ともに連絡がつかない状態となっている。
投資家300人に返済リスク 不動産CFへの不信感も
東京商工リサーチによると、同社は2020年5月期には売上高3億9千万円超を記録していたが、その後の業績は悪化。クラウドファンディングで個人投資家から広く資金を集めるスタイルは注目されていたが、法的な保護が手薄なこともあり、投資家側のリスクは依然として高いままだ。
今回の破産により、個人投資家が損失を被る可能性が高まっており、今後は同様のスキームに対する監視や制度見直しの議論も避けられない見通しだ。
有権者の声「夢を見せて逃げた?」「地方再生ビジネスの闇」
沖縄県内やネット上では、今回の破産を巡り以下のような声が広がっている。
「“ジャングリア”を名目に資金を集めた結果がこれか…」
「返せない前提で出資を募ってたなら詐欺と同じじゃないか?」
「観光再生とか地域貢献を掲げながら、結局は投資家も地元も置き去り」
「法整備が追いついてないのにクラファンに手を出すのは危ない」
「地方の期待を逆手に取ったビジネスに感じる」
観光立県・沖縄における“民泊・テーマパーク需要”に期待が高まる一方で、それを先取りしようとする事業者が適切な経営基盤を持たずに破綻する例も後を絶たない。今回の件は、地方経済と投資家の両方に爪痕を残すことになりそうだ。