2025-04-28 コメント投稿する ▼
オール沖縄に連敗続き 玉城デニー知事「うるま市長選で意外な差」支持離れ深刻化
うるま市長選、玉城知事も「意外な差」に驚き
沖縄県うるま市で27日に投開票された市長選挙で、「オール沖縄」勢力がまたも敗北を喫した。無所属現職で自民、公明両党の推薦を受けた中村正人氏(60)が2万5699票を獲得し、再選を果たした。これに対し、立憲民主、共産、社民、沖縄社会大衆党の推薦を受けた無所属新人の照屋大河氏(53)は1万8725票にとどまり、約7000票の大差で敗れた。
28日朝、県庁で記者団の質問に応じた玉城デニー知事は「意外に差がついたのかなと、率直にそう思う」と敗因を振り返った。さらに「うるま市はもともと保守地盤。保守側現職との戦いには、相応の対応が必要だった」と厳しい選挙戦を認めた。
オール沖縄の退潮 市長ゼロの現実
今回の敗北で、沖縄県内11市すべてにおいて「オール沖縄」系市長がゼロとなった。今年1月の宮古島市長選では、唯一残っていたオール沖縄系の現職が敗北。続く沖縄市長選でも、推薦候補が敗れた。さらに2月の浦添市長選では、候補者を擁立できずに不戦敗を喫している。
「オール沖縄」は、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設反対を旗印に結集した勢力で、かつては大きな支持を集めた。しかし結成から10年以上が経過し、社会情勢の変化や保守層の地盤固めも進む中、支持基盤の縮小が顕著になっている。
玉城知事「まとまっている人たちは頑張っている」
支持離れを問われた玉城知事は「結成から10年余り、社会状況の変化はあるかもしれないが、オール沖縄でまとまっている人たちは頑張っている」と述べた。ただ、現実には、国政与党の自民・公明に押される形で劣勢を強いられているのが現状だ。
また、うるま市は伝統的に保守色が強い地域とされており、選挙戦でも地盤の厚みを見せつけられた格好だ。市政への評価や安定志向も中村氏再選の要因とみられる。
今後の展望 「オール沖縄」再起は可能か
一連の市長選での敗北は、来年に控える沖縄県議会議員選挙や将来の知事選にも影響を及ぼしかねない。オール沖縄側は、辺野古移設反対や基地負担軽減を訴え続ける一方で、経済振興や子育て支援など県民の生活に直結する政策でも競争力を高めなければ、支持回復は難しい状況だ。
一方、与党側は、今回の勝利を機に県内基盤のさらなる強化を狙う。特に若年層や都市部での支持拡大を目指す動きが活発化しており、今後の沖縄政局は一層緊迫感を増しそうだ。
- うるま市長選でオール沖縄系候補が約7000票差で敗北
- 玉城知事は「意外に差がついた」とコメント
- 沖縄県内11市でオール沖縄系市長はゼロ
- 社会状況の変化によりオール沖縄の退潮が顕著