2025-03-28 コメント投稿する ▼
ワシントン駐在に関する調査報告書 最終報告書が公開
1. 委員会の設置と調査目的
沖縄県議会からの疑問に基づき設置された調査検証委員会は、ワシントン駐在業務の適法性とその改善提案を目的に活動を開始した。委員会は、沖縄県の前知事が公約として掲げたワシントン駐在職員配置を実現するために設立された「DCオフィス社」の活動に焦点を当てた。このオフィスは、基地問題を含む沖縄県の政治的活動に関連する情報収集や発信を行うために設置され、外国代理人登録法(FARA)に基づく登録も行われている。
2. 委員会の活動と調査の進捗
委員会は、2025年1月29日から6回の会議を開催し、調査を進めてきた。しかし、米国法が関与するため、調査には言語や資料の提供の遅れという制約があり、詳細な調査が困難であったと報告されている。それにもかかわらず、委員会は特に「DCオフィス社」の設立に関わる問題に注力し、初期の運営に関していくつかの疑問点を明らかにした。
3. 「DCオフィス社」設立の経緯
前知事の公約を受けて、沖縄県は2015年にワシントンD.C.に駐在職員を配置するため、「DCオフィス社」を設立した。この際、委託業務を通じて事務所設置支援を受けることになり、業務委託先として「コア社」が選ばれた。コア社は事務所登記を含む支援を行うことになり、契約が締結された。さらに、米国総合法律事務所が再委託業務を担当し、法的手続きが進められた。
4. 設立手続きの問題点
「DCオフィス社」の設立過程においては、法人登記に関する手続きが問題視されている。特に、法人登記に必要な手続きが適切に行われなかったとの指摘がある。設立初期、法人登記の必要性が認識されており、関係者間でのメールのやり取りにおいても、登記手続きを進める必要性が明記されていた。しかし、その後の手続きにおいて地域安全政策課の職員が十分に関与していないことが明らかとなり、運営の透明性に疑問を呈する結果となった。
5. 初期運営と法的手続き
初代所長と初代副所長がワシントンD.C.に赴任した後、初代所長はコア社を通さず、直接米国総合法律事務所と契約を結ぶなど、運営上の手続きにおいても不透明な部分があった。また、法人登記手続きにおいては、米国総合法律事務所の弁護士が発起人となり、登記が進められたが、これもまた適切な手続きが行われたか疑問視されている。
6. 改善提案と今後の課題
委員会は、ワシントン駐在に関する業務の適法性を確保するために、いくつかの改善提案を行った。具体的には、今後はより透明性の高い運営体制の構築と、関係者全員の適切な関与が求められるとされている。また、法的手続きや情報公開に関しても、より厳格な運用が必要であるとされ、沖縄県に対して今後の改善を促している。
ワシントン駐在業務に関する調査検証委員会は、設立から約10年が経過した「DCオフィス社」の運営においていくつかの問題点を明らかにした。特に、設立手続きや初期の運営における不透明性が指摘され、沖縄県に対して改善を求める結果となった。