2026-02-13 コメント投稿する ▼
沖縄県立芸大ハラスメント43件判明 卒業生アンケートで26年間の被害実態
沖縄県立芸術大学の卒業生有志が実施したハラスメントに関するアンケートで、2000年から2026年の間に発生した43件の実例が寄せられました。 沖縄県立芸大では、2024年4月からハラスメント相談窓口を外部の専門機関に委託し、対策強化を図ってきました。
沖縄県立芸大で相次ぐハラスメント
沖縄県立芸術大学の卒業生有志が実施したハラスメントに関するアンケートで、2000年から2026年の間に発生した43件の実例が寄せられました。回答には深刻な被害内容が含まれており、大学内でのハラスメント問題が長年にわたり継続していた実態が明らかになっています。
アンケートに寄せられた実例では、休息所で仮眠をしている際に性的接触を受けたという被害や、男性教授からの容姿に関する差別的な発言が授業中にも繰り返されたという証言がありました。これらは氷山の一角にすぎず、被害を訴えられずにいる学生や卒業生が多数存在する可能性があります。
「大学に相談しても何も変わらないと思った」
「卒業後も思い出すとつらくなる」
「先生の評価で将来が決まるから何も言えなかった」
「芸術大学だからこそ逃げ場がない」
「もっと早く声を上げられる環境があれば」
師弟関係が生む権力構造
沖縄県立芸大では2025年8月にも、音楽学部の男性教授による元学生へのセクハラ被害が表面化し、大学側が調査を開始しています。被害を訴えた元学生は、大学構内でキスや抱きつきなどの行為を繰り返し受けたと証言しました。
この問題の背景には、文化芸術業界特有の師弟関係における権力勾配があります。上級ハラスメント対策アドバイザーの植松侑子氏は、弟子の将来やチャンスを師匠が握っている構造が、被害者を拒否できない状況に追い込むと指摘しています。
担当教員と学生という立場の違いから、卒業できなくなる不安や、芸術分野でのキャリアが閉ざされる恐怖が、被害者を沈黙させてきました。周囲の学生や教職員も保身のために見て見ぬふりをし、ハラスメントが当然のように受け入れられてしまう負の連鎖が続いています。
大学の対応と再発防止策
沖縄県立芸大では、2024年4月からハラスメント相談窓口を外部の専門機関に委託し、対策強化を図ってきました。しかし、2025年の事案では、相談を受けた職員が被害学生に対し不適切な発言をしていたことも判明しています。
大学側は卒業生有志からの質問状に対し、個人授業の録音や録画の徹底、学内への防犯カメラ設置を検討していると回答しました。また、被害教授の授業を希望しない学生には別の教員を配置する措置も取られています。
過去にも同大学では、2019年に教授がアカデミックハラスメントやパワーハラスメント、セクハラで減給処分を受け、2024年には非常勤講師が複数の学生へのセクハラで懲戒解雇されるなど、繰り返しハラスメント問題が発生してきました。構造的な問題への抜本的な対策が求められています。
声を上げやすい環境づくりへ
今回のアンケート調査は、卒業生有志が自発的に実施したものです。26年間で43件という数字は、相談窓口に届かなかった被害の多さを物語っています。実際には、声を上げられずにいる被害者がさらに多く存在すると考えられます。
文化芸術業界全体で、ハラスメントを根絶するための取り組みが必要です。密室になりやすい個人レッスンの環境改善、相談しやすい体制の整備、そして何よりハラスメントを許さない文化を組織全体で共有することが重要になります。
被害者が勇気を持って声を上げた時、適切なケアと迅速な対応がなされなければ、二次被害を生むだけでなく、組織への信頼も失われます。沖縄県立芸大だけでなく、全国の芸術系教育機関が、この問題を自分事として受け止め、実効性のある対策を講じる必要があります。