2025-11-08 コメント投稿する ▼
台湾クルーズ船でケタミン密輸の台湾男逮捕・沖縄那覇港で税関摘発
台湾からの大型クルーズ船で覚せい剤のケタミンを密輸しようとした台湾国籍の男が2025年11月5日、沖縄地区税関によって告発され、那覇海上保安部に麻薬取締法違反容疑で逮捕されました。 近年の摘発事例を見ると、台湾からのケタミン密輸事件は過去にも複数発生しており、2019年7月には台湾人女性が那覇空港でケタミン7.348グラムを密輸しようとして摘発されています。
近年、クルーズ船を利用した麻薬密輸事件が増加傾向にあります。2024年には全国の税関が摘発した大麻と麻薬の件数がそれぞれ390件、322件と過去最多を記録しており、水際対策の重要性が高まっています。
発覚の経緯と手口
男が乗船したクルーズ船は台湾の高雄港を出港し、2025年10月19日朝に那覇港に寄港しました。税関職員による下船時の手荷物検査で、男の手提げバッグの中から紙たばこ18本が入ったたばこ箱が発見されました。このたばこにはケタミン粉末を含む茶色植物片7.41グラムが混在していたことが判明しました。
さらに、男の船内居室からも微量のケタミン0.07グラムが発見されたといいます。男は認否を明らかにしていませんが、捜査に支障があるとして詳細は公表されていません。
「クルーズ船での薬物検査が厳しくなってるって聞いてたけど本当だった」
「台湾から沖縄って近いから狙い目だと思ったのかな」
「たばこに混ぜるなんて巧妙な手口だね、でも税関の目は誤魔化せなかった」
「こういう事件があると善良な観光客まで疑われちゃうから迷惑」
「水際で止めてくれた税関職員に感謝です」
深刻化する麻薬密輸問題
鹿児島では2024年に長崎税関鹿児島税関支署がクルーズ船乗客による不正薬物事件を2件摘発しており、いずれもアメリカ人でコカインや大麻リキッドを所持していました。密輸の手口も巧妙化が進んでおり、税関当局は警戒を強めています。
クルーズ船による薬物密輸が増加する背景には、検査体制の隙を狙った犯行があります。マリンポートかごしまでは最大で約5000人がターミナルを通過することもあり、十数人の税関職員が検査に当たっているものの、全員の検査を終えるまでに数時間かかる場合があります。
ケタミンの危険性と規制
ケタミンは本来、医療用の麻酔薬として使用される物質ですが、幻覚作用があることから違法薬物として悪用されています。2007年1月1日から麻薬として指定されており、日本では厳格に規制されています。医療目的以外での所持や使用は麻薬取締法によって厳しく処罰されます。
近年の摘発事例を見ると、台湾からのケタミン密輸事件は過去にも複数発生しており、2019年7月には台湾人女性が那覇空港でケタミン7.348グラムを密輸しようとして摘発されています。
観光業界への影響と対策
沖縄は台湾をはじめとするアジア諸国からのクルーズ船観光が盛んな地域です。新型コロナウイルスの5類移行や円安の影響で訪日客が急回復している中、2024年に鹿児島港に寄港したクルーズ船は102回と過去10年間で最多を記録しています。
しかし、こうした薬物密輸事件の増加により、税関当局は検査体制の強化を図っています。税関職員は各国の薬物事情を情報収集し、乗客の出身国やわずかなしぐさから違和感を見逃さないよう訓練を重ねています。
税関当局は厳格な取り締まりと迅速な通関の両立という難しい課題に直面しています。観光客の多くは善良な旅行者であり、観光スケジュールに支障をきたさないよう配慮しながらも、違法薬物の水際阻止という重要な任務を果たさなければなりません。
今回の事件は、国際的な薬物密輸組織による計画的な犯行の可能性もあり、関係当局は背景や組織的関与について詳しく調べています。観光立国を目指す日本にとって、安全・安心な環境の確保と観光振興の両立が重要な課題となっています。