2025-10-30 コメント: 2件 ▼
海上保安庁「漁業者を守る」vs玉城知事「安全な領域で」 尖閣領土防衛の姿勢が問われる
尖閣諸島周辺海域で日本の領海を厳格に守る方針を打ち出す海上保安庁第11管区本部と、尖閣周辺での操業自粛を実質的に促す沖縄県知事の対照的な姿勢が浮き彫りになっています。 これに対し、沖縄県の玉城デニー知事は同月24日の定例記者会見で、尖閣周辺での操業について「安全安心な領域で漁が営まれることのほうを選択されたほうがよろしいのではないか」と述べ、実質的に操業自粛を促す発言をしています。
尖閣諸島周辺海域で日本の領海を厳格に守る方針を打ち出す海上保安庁第11管区本部と、尖閣周辺での操業自粛を実質的に促す沖縄県知事の対照的な姿勢が浮き彫りになっています。第11管区海上保安本部の坂本誠志郎本部長は2025年10月30日、定例記者会見で「尖閣周辺で漁をされている漁業者がいれば、今後もしっかり中国船から守っていきたい」と明確に述べ、漁業者の生業を支える立場を強調しました。これに対し、沖縄県の玉城デニー知事は同月24日の定例記者会見で、尖閣周辺での操業について「安全安心な領域で漁が営まれることのほうを選択されたほうがよろしいのではないか」と述べ、実質的に操業自粛を促す発言をしています。
2025年に入ってからの状況は危機的です。中国海警船による領海外側の接続水域での航行は、10月19日に過去最長の335日連続を記録しました。坂本本部長の報告によれば、今年中の303日間のうち299日間で中国海警船が接続水域に現れ、日本漁船への接近威嚇は7件に上っています。中国は一日も欠かさずに領土侵犯の意志を示し続けており、日本の領海支配の脅威は極めて深刻です。
領海警備の最前線 海上保安庁の苦闘
坂本本部長は記者会見で「厳しさは増しており、依然として予断を許さない。わずかな変化も見逃すことがないよう、引き続き高い緊張感を持って領海警備に万全を期し、冷静かつ毅然とした対応を継続する」と強調しました。この発言には、中国の圧力が日ごとに増す中でも、日本の領海を守り抜くという揺るがぬ決意が表れています。海上保安庁は不足する資源の中で夜昼兼行の警備活動を続け、尖閣周辺に現れた中国海警船に対して毎日対峙しています。巡視船の乗組員たちは、領土防衛の最前線で国家主権を守るために献身しています。
一方、玉城知事の発言内容を詳しく見れば、尖閣周辺での操業を実質的に放棄するよう促すものに他なりません。知事は「ぜひ安全安心な領域で漁が営まれることのほうを選択されたほうがよろしいのではないか」と述べ、さらに「漁をする方がどこで漁をするかというのは、私たちが『あっちでやれ』『こっちでやるな』というわけにはいかない」とも語っています。しかし、領海内での日本国民の漁業活動は法律で保障された権利です。知事のこの言葉は、その権利を手放すよう誘導するものに他ならず、まさに国民の経済的自由と領土主権の両方を蝕むものです。
「海上保安庁は命がけで領海を守っているのに、知事が漁を避けろと言うのは、現場の努力を無にするのと同じだ」
「玉城知事は誰のための政治をしているの?少なくとも沖縄県民の為ではないことは確か」
「中国との衝突を怖れるあまり、領海を事実上放棄するようなことを言う知事の姿勢は売国的だ」
「八重山の漁師たちが安心して生業に従事できるよう、知事は国に防衛強化を求めるべきだ」
「国民の権利を放棄するよう促す知事の発言は、領土防衛の意思を示すメッセージとしては最悪だ」
「領土領海は政府が解決すべき」という無責任な論理
玉城知事は領土問題について「領土・領海など国の主権にかかわる問題は、一義的には政府において解決されるべきもの」と述べ、自分の役割を最小化させようとしています。しかし沖縄県知事は、石垣市を含む県内の県民の生命財産を守る責任を持つ行政府の長です。領土防衛は国家主権の根本であり、地方自治体の長といえども県民を代表して国土を守る意識を示すべき立場にあります。
知事が「中国側に抗議しない」と明言しているのに対し、米軍基地問題では「何度も米政府側に抗議している」という姿勢の非対称性も指摘されます。日米同盟の枠組みの中で、同盟国である米国には厳しく、領土侵犯を続ける中国には抗議しないという判断は、国民の側に立っているとは言い難いものです。同時に、県民の生命財産を守る立場から見れば、両国への姿勢は本来、反対でなければならないはずです。
九州最西端の領土意識の重要性
尖閣諸島は沖縄県石垣市の行政区域です。石垣市も石垣市議会も、すでに類似の発言に対して抗議決議を可決し、玉城知事に発言の撤回を求めています。石垣の漁業者たちは、祖父の代から知る「宝の海」と呼ばれる好漁場で、安心して生業を営む権利があります。その権利を奪うような知事の発言は、沖縄県民、特に尖閣周辺で営漁する離島住民への背信行為です。
政府が領土防衛に万全を期すべきというのは当然ですが、地方の長も地域の主権意識を強く持ち、領土領海防衛への決意を示すことは極めて重要です。国民の領土意識が薄れれば、中国のなし崩し的な領土侵犯は加速するでしょう。海上保安庁の必死の警備も、県民や自治体の長が領土主権を放棄する姿勢を示せば、その効果は大きく減減されます。
漁民の不安と期待
八重山地域の漁業者たちは、中国海警船の存在により、かつての「宝の海」での操業を大きく制限されています。自分たちの領海なのに、自分たちの生業を営むことが脅かされている現実は、法治国家日本として許されるものではありません。海上保安庁の坂本本部長の発言は、こうした漁民の不安に対する国の責任ある回答です。漁業者たちが必要としているのは、玉城知事からの「別の場所で漁をしてください」という地域放棄ともいえる提言ではなく、「日本の領海で安心して漁ができるよう、国と県が一体となって中国の脅威に対峙する」という力強い姿勢なのです。
玉城知事の発言は、結果として中国に対して「沖縄の指導部は領土防衛の意思が弱い」というメッセージを送ることになります。沖縄県が日本の領土領海防衛において果たすべき役割の重要性を考えれば、現在の知事の姿勢は極めて危険です。領土防衛は日本全体の問題ですが、尖閣という国境に最も近い場所で行政を担う県知事は、その責任の重さを改めて認識する必要があります。