2025-10-11 コメント投稿する ▼
玉城デニー知事、石破首相「戦後80年所感」を高評価も沖縄への言及欠如を批判
石破茂首相が戦後80年を迎える節目に、先の大戦について個人の所感を10日に公表したことを受け、沖縄県知事の玉城デニー氏は11日、この所感について「二度と戦争による惨禍を繰り返してはならないとする決意を表明した意義は大きい」との見解を示した。
「決意表明の意義大きい」 玉城デニー知事、石破首相所感を評価
石破茂首相が戦後80年を迎える節目に、先の大戦について個人の所感を10日に公表したことを受け、沖縄県知事の玉城デニー氏は11日、この所感について「二度と戦争による惨禍を繰り返してはならないとする決意を表明した意義は大きい」との見解を示した。
玉城知事はこの所感において、これまでの総理談話では十分に触れられてこなかった「なぜあの戦争を避けることができなかったのか」という歴史の問いについての見解が含まれている点を評価。一方、沖縄の現状には所感が言及していないことを残念だと述べた。
また、玉城氏は最後に「世界の恒久平和に貢献するため、沖縄県が果たすべき役割について一歩一歩着実に取り組んでいく」と改めて意志を表明した。
歴史認識表明と沖縄視点のギャップ
石破首相の所感は、歴史から教訓を引き出そうとする姿勢を打ち出したものとされている。たとえば、他者の主張に謙虚に耳を傾ける寛容さが民主主義には重要だとの言葉も含まれていた。 ([毎日新聞][1])
ただし、この所感は従来の首相談話とは異なり、閣議決定を経た国家声明ではなく、あくまで個人の立場による「所感」という形式で発表された点にも注目されている。 ([ウィキペディア][2])
沖縄県は長年、基地問題や過重な負担に直面しており、知事や県民は中央政府への強い期待と失望を繰り返してきた。そのため、歴史認識の表明と地域の現実感覚とのズレが、沖縄側からの批判につながる構図は以前から見られていた。
玉城氏が「沖縄の現状に触れられていない」と指摘したのは、この差分を重視する立場からの反応といえる。沖縄では自衛隊配備強化や基地運用が進んでおり、住民には不安の声も根強いという。 ([琉球新報デジタル][3])
決意表明としての意味と今後の焦点
所感で「二度と戦争を繰り返さない」という決意を明言すること自体は、国家リーダーとしての覚悟を示す意味を持つ。玉城氏がこれを「意義が大きい」と評価したのも妥当と考えられる。
だが、評価だけでは足りない。歴史認識の表明と地域実態への配慮をどう結びつけるかが、今後の課題となる。特に、沖縄の基地・防衛政策に関する言及がなかった点をどう補っていくかが問われるだろう。
今後、石破首相が歴史問題と外交・安全保障政策をどう具体化するか、そして沖縄側がどのような立ち位置で応じるか、注目を集める展開となりそうだ。