2025-11-28 コメント投稿する ▼
立民・小熊氏「関税投資は対米ODA」茂木外相に日本のメリット明示要求
委員会では、25日に実施された日米電話首脳会談についても議論となった。 小熊氏は、米中電話首脳会談の後に日米電話首脳会談が行われたことを問題視し、 「米中電話首脳会談の前に日米電話首脳会談を行うべきだったのではないか」 とただした。
立民・小熊氏が舌鋒鋭く指摘 関税交渉の投資は「対米ODA」
立憲民主党の小熊慎司衆院議員が28日の衆院外務委員会で、トランプ政権との関税交渉をめぐり痛烈な批判を展開した。日米関税交渉で合意した5500億ドル(約80兆円)の対米投資について 「停滞する米国の産業への対米ODA(政府開発援助)ではないか」 と鋭く指摘し、茂木敏充外相に日本側のメリットを明確にするよう求めた。
茂木外相「ウィンウィン」を強調するも詳細は不明瞭
小熊氏の追及に対し、茂木外相は 「日本にとっても安全保障上や経済安保上、必要な開発や事業を進めていく」 と説明し、半導体・医薬品・エネルギー分野への投資を挙げた。そのうえで 「これから具体的なプロジェクトが出来上がるが、ウィンウィンになっていることが重要だ」 との認識を示したが、具体的な日本側メリットについて明確な答弁は避けた。
小熊氏はこれまでもトランプ政権の関税政策に厳しい態度を示しており、4月の同委員会では 「不良少年のカツアゲだ」 と表現して注目を集めていた。今回の質問でも、米国が利益の90%を受け取るとされる投資構造について、実質的に日本から米国への一方的な資金提供ではないかとの疑念を呈した。
日米首脳会談の実施順序にも疑問視
委員会では、25日に実施された日米電話首脳会談についても議論となった。小熊氏は、米中電話首脳会談の後に日米電話首脳会談が行われたことを問題視し、 「米中電話首脳会談の前に日米電話首脳会談を行うべきだったのではないか」 とただした。
これに対し茂木外相は、24日に米中電話首脳会談が実施された際、高市早苗首相がG20サミットからの帰国中であったとしたうえで、 「順番になんらかの大きな意味があるとは考えていない」 と説明した。
WSJ報道を重ねて否定
また、米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)がトランプ大統領から高市首相に台湾問題に関する発言の抑制を求めたと報じたことについて、茂木外相は 「今の米国を見ると、WSJやニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポストとトランプ政権とは相当距離がある」 と指摘し、報道内容を改めて否定した。
「関税交渉の結果を見れば、これは対米ODAと言わざるを得ない」
「日本側のメリットが全く見えてこない。国民にしっかり説明すべき」
「米国の指示で投資するなんて、主権国家として問題だ」
「ウィンウィンと言うが、実際は9対1で米国が圧勝している」
「これでは今後も同様の要求が続くのではないか」
小熊氏は一連の質問を通じて、日本政府がトランプ政権に対して過度に譲歩的な姿勢を取っているのではないかとの懸念を表明し、より対等な日米関係構築の必要性を訴えた。関税交渉をめぐる議論は今後も国会で継続される見通しで、野党側による政府追及が強まることが予想される。