2025-08-24 コメント投稿する ▼
高井たかし幹事長が米国経済視察報告 「バイデン財政」「トランプ減税」と日米インフレ比較
れいわ新選組・高井幹事長 米国視察報告
れいわ新選組の高井たかし幹事長は、衆議院財務金融委員会の米国視察(ニューヨーク・ボストン・ワシントン)に参加し、FRB(連邦準備銀行)、ナスダック、ウォール街などを訪問。現地アナリストとの意見交換で得た知見をSNSで報告した。議題は「バイデン積極財政」「トランプ減税」「国債発行の是非」「日米インフレの違い」など多岐にわたった。
バイデン財政とトランプ減税
報告によれば、バイデン政権の積極財政については「コロナ禍を乗り越えられた」と高評価を得る一方で、「財政赤字拡大によるインフレや景気減速への失望」も強いという。
一方、トランプ政策では関税と減税が注目点となった。トランプ関税は製造業回帰を狙い、平均関税を2.5%から19%へ引き上げる見通しで、物価高を加速させる恐れがある。さらにトランプ減税は「所得減税」を前面に出すが、その裏ではメディケイド(低所得者向け医療保険)、SNAP(食料支援)、再生エネルギー支援策の削減がセットになっており、3年後から歳出カットが始まる予定だ。
「減税と称して社会保障を削るのは本質的に増税と同じ」
「再エネ支援を削れば地球環境への逆行になる」
「短期的には景気刺激でも、長期的には格差拡大が避けられない」
「米国の選挙対策に日本経済が振り回される危険性がある」
「結局はトランプかバイデンか、どちらも財政赤字との戦いになる」
SNS上でもこうした議論が広がり、日本への影響を懸念する声が目立つ。
米国経済見通しと日米比較
高井氏の報告によると、米国の国債上限は36.1兆ドル(約5400兆円)から41.1兆ドル(約6150兆円)へ拡大する見通し。米国金利は9月・12月・来年3月に0.25%ずつ引き下げられる予測で、パウエルFRB議長の任期満了後の人事次第で大きな変動要因となる。
為替については「円高が進み130円台後半になる」との見通しが示された。米国のインフレは賃金や家賃、医療といった需要主導型の「デマンドプルインフレ」であり、日本のエネルギー・資材コスト高による「コストプッシュインフレ」とは質的に異なる「本物のインフレ」だと指摘された。
日本への示唆
アナリストは「日本の国債は外国に依存するまで発行しても問題ない」と指摘。その際は「人口減少が最大課題であり、出生率を上げる20年規模の政策に集中して国債を発行すべき」と提言した。国が長期的に借金を抱えることが可能である点を踏まえた指摘である。
また、トランプが消費税の輸出還付を問題視しており、将来の関税交渉で日本の消費税制度が俎上に載る可能性も示された。移民政策については「履歴書による差別で転職をためらう結果、雇用の流動性が抑制され失業率が低く抑えられている」と分析された。
高井たかし幹事長の報告は、米国の財政・金融政策が日本経済に直結する現実を浮き彫りにした。短期的な景気刺激と引き換えに社会保障を削る米国型の政策をどう評価し、日本が「国債発行の是非」や「減税・増税のバランス」をどう考えるかは大きな課題だ。とりわけ出生率向上など長期的な政策投資こそが、今後の日本の持続性を左右すると言える。