2025-12-03 コメント投稿する ▼
佐藤啓官房副長官が旧姓通称使用法制化検討を表明、2026年国会提出へ連立合意履行
佐藤啓官房副長官は2025年12月3日の記者会見で、自民党と日本維新の会の連立政権合意書に明記された旧姓の通称使用の法制化法案提出方針について、「政府としては合意を踏まえ、与党と連携しながら必要な検討を行っている」と述べました。 この方針は、選択的夫婦別姓制度の導入に反対する立場を維持しつつ、現実的な解決策として旧姓の通称使用を法的に保障しようとするものです。
連立合意で法制化方針が決定
2025年10月20日に自民党と日本維新の会が交わした連立政権合意書には、「戸籍制度および同一戸籍・同一氏の原則を維持しながら、社会生活のあらゆる場面で旧姓使用に法的効力を与える制度を創設する」と明記されています。そのための法案を2026年通常国会に提出し、成立を目指すとしています。
この方針は、選択的夫婦別姓制度の導入に反対する立場を維持しつつ、現実的な解決策として旧姓の通称使用を法的に保障しようとするものです。高市早苗首相は従来から選択的夫婦別姓制度に反対の立場を取っており、代替案として通称使用の拡大を主張していました。
佐藤官房副長官の発言は、政府が連立政権合意を履行する意思があることを示すものです。2026年通常国会での法案提出に向けて、政府内での制度設計が本格化することが予想されます。
30年前に却下された案の復活
今回の通称使用法制化案は、実は約30年前に検討された経緯があります。法制審議会民法部会身分法小委員会は1991年から1994年にかけて別姓導入を検討した際、結婚で姓を変えた者が旧姓を戸籍に記載して届け出る案を「試案」として提示しました。
しかし当時の小委員会は、正式な姓が二つあることで個人特定に問題が生じ、犯罪に悪用される懸念があるとして、この案を採用しませんでした。最終的に法制審議会は1996年、選択的夫婦別姓の導入を法相に答申しました。
「また同じような議論の繰り返しになるのでは」
「30年前の案をなぜ今更持ち出すのか」
「根本的な解決にはならない気がする」
「現実的な妥協案として評価できる」
「戸籍制度を維持できるなら良いのでは」
経済界からの要請と実務上の課題
経団連は2024年6月、選択的夫婦別姓制度の早期実現を政府に求める提言を発表しました。提言では、通称使用による課題を指摘し、「政府には、通称使用による課題を解消し、夫・妻各々が、希望すれば、生まれ持った姓を戸籍上の姓として名乗れる制度の早期実現を求めたい」としています。
現在でも住民票やマイナンバーカード、運転免許証、パスポートなど多くの公的証明書で旧姓併記が可能になっています。しかし、通称使用には依然として限界があります。金融機関での口座開設や各種契約、海外渡航時のビザ申請などで戸籍名が必要な場面は多く、二つの名前を使い分けることによる不便や混乱は解消されていません。
政治的思惑と今後の見通し
高市首相は自民党内の保守派の支持を背景に総裁に就任しており、選択的夫婦別姓制度には一貫して反対の立場です。一方で日本維新の会は改革志向が強く、女性の社会参画を重視する立場から旧姓使用の法制化を求めています。
連立政権維持のため、両党は選択的夫婦別姓制度の導入は避けつつ、通称使用の法制化で妥協したとみられます。しかし法制化によって実際にどこまで不便が解消されるかは不透明で、根本的な解決には至らない可能性があります。
政府は今後、法案の具体的な制度設計を進める必要があります。どのような場面で法的効力を認めるか、戸籍との整合性をどう保つかなど、技術的な課題は山積しています。また、野党や女性団体からは「根本的解決にならない」との批判も予想され、国会審議では激しい議論が展開されそうです。