2025-12-09 コメント投稿する ▼
西脇隆俊京都知事が維新8案に支持表明せず「混沌」 北陸新幹線延伸で地下水懸念深刻
北陸新幹線敦賀―新大阪延伸ルートを巡り、日本維新の会が8案での再検討を自民党に提案することについて、西脇隆俊京都府知事は2025年12月9日の記者会見で、現状は「混沌としている」として、どのルートを支持するかは言及しませんでした。 ①小浜・京都ルート(既定案)。
「混沌としている」京都知事、維新8案に支持表明せず 北陸新幹線延伸で地下水懸念が深刻化
北陸新幹線敦賀―新大阪延伸ルートを巡り、日本維新の会が8案での再検討を自民党に提案することについて、西脇隆俊京都府知事は2025年12月9日の記者会見で、現状は「混沌としている」として、どのルートを支持するかは言及しませんでした。一方で、維新の提案により「議論が少し進む気がする」と述べ、段階が変われば意見表明する考えも示しています。
現行の「小浜京都ルート」は、府内で地下水などへの影響を懸念する声があり、着工に至っていない状況です。
維新が8案を提示、「閣議決定にとらわれない」
日本維新の会は2025年12月1日に整備新幹線のプロジェクトチーム(PT)の会合を開き、北陸新幹線敦賀~新大阪間の延伸ルートについて、
①小浜・京都ルート(既定案)
②亀岡ルート
③米原ルート(一部直通)
④米原ルート(乗り換え)
⑤湖西ルート(新設)
⑥湖西ルート(改軌・中速)
⑦舞鶴ルート(京都経由)
⑧舞鶴ルート(亀岡経由)
の合計8つの案を改めて提案し、再試算を求めることを決めました。
維新PTの前原誠司顧問は会合で、「考えられる全ての案を一つひとつ検討していくことで透明度を上げた整備計画にしていきたい」と話し、政府は1973年に北陸新幹線は小浜市付近を通過すると閣議決定したが、「50年前の閣議決定に縛られている。自民党にはこれにとらわれないことを求めていきたい」と述べました。
前原氏は「1973年の閣議決定を見直す。小浜市付近というものが、50年前の閣議決定で縛られているが、これについてはとらわれない。閣議決定を見直していくことで、与党PTに臨む」と宣言し、小浜経由にこだわらない姿勢を明確にしました。
「50年前の決定に今も縛られるのはおかしい」
「建設費が倍になるなら見直すのは当然」
「地下水への影響が心配で小浜ルートには反対」
「京都市内を通らないと意味がないのでは」
「結局どのルートが一番現実的なのかな」
深刻化する小浜京都ルートへの懸念
現行の小浜京都ルートに対する地元の反対は強まっています。松井孝治京都市長は「京都の地下水は酒造りだけでなく、京料理や染色に欠かせない。(小浜・京都ルートは)生活や産業、文化を支えてきた水に対する懸念が残る」と述べ、西脇知事は「(整備には)府民の理解と納得、関係市町の協力が不可欠。施工上の課題に慎重な調査と地元への説明が必要なことを申し上げた」と懸念解消を求めています。
さらに深刻なのは、府内の約1100カ寺でつくる一般財団法人「京都仏教会」が昨年12月、北陸新幹線の延伸に絡み、西脇隆俊知事に府内の山や市街地にトンネルを掘る計画の再考を求める申し入れをし、聖護院門跡の宮城泰年門主が「個人的には千年ではなく有史以来の蛮行だと考えている」と訴えたことです。
建設費高騰と工期延長で計画に暗雲
小浜京都ルートの実現可能性は厳しい状況にあります。敦賀~新大阪間の工期は、敦賀~京都間の山岳トンネルが約20年、京都駅部が最長28年、新大阪駅が約25年を見込み、2016年度の試算ではいずれも15年程度としていたが、働き方改革や検討の深度化といった理由により長期化し、概算事業費も2016年度の試算時より増加している状況です。
費用対効果についても、石川県選出の自民党国会議員による自主研究会の独自試算では、小浜・京都ルート(南北案)3兆9000億円(B/C 0.551)、小浜・京都ルート(桂川案)3兆4000億円(B/C 0.522)と、いずれも費用便益比が1を下回る結果が示されています。
知事の慎重姿勢と今後の展望
西脇知事は北陸や関西の経済界などが早期延伸を求めている中で、知事としての態度を問われると「スケジュールありきで進めていたわけではない」とした上で「府民の理解と、関係自治体の協力がない限り進まない」とこれまでの説明を繰り返しました。
北陸新幹線の敦賀―新大阪間の延伸ルートを話し合う与党PT(プロジェクトチーム)の整備委員会は20日、新設する京都駅の位置と京都市内を通るルートの案について、2024年中の選定を見送ると決め、25年度末の延伸工事開始を事実上断念しており、計画は大幅に遅れる見通しです。
維新の8案提示により議論は新たな局面を迎えましたが、地元自治体の理解を得られない限り、どのルートであっても実現は困難な状況が続くとみられます。西脇知事の慎重姿勢は、地下水問題をはじめとする地元の深刻な懸念を反映しており、今後の議論の行方が注目されます。