2025-08-21 コメント投稿する ▼
徳島市、生活保護費で国に5千万円過大請求 幹部が隠蔽と課長証言 百条委で責任追及へ
徳島市、生活保護費で国に5千万円過大請求
徳島市が生活保護費の過払いを適切に処理せず、財源となる国負担金を過大請求していた問題で、市議会に設置された調査特別委員会(百条委員会)は21日、生活福祉第2課の森本耕司課長を証人尋問した。森本課長は「市幹部は長年問題を認識しており、隠蔽してきた」と証言し、組織ぐるみで不適切な対応が続けられていた実態を明らかにした。
森本課長は、令和元年11月に実施された徳島県の監査に立ち会った際、過大請求の問題を把握したと説明。その後、生活保護費の管理を担う生活福祉第1課の課長や遠藤彰良市長に改善を訴えたが、是正されなかったと述べた。証言によって「隠蔽の有無」が最大の焦点となり、市政への信頼を大きく揺るがしている。
隠蔽の構造と市の責任
生活保護費の財源は国が4分の3を負担する仕組みであり、受給者が就労や入院などで生活費の一部を返納する場合、その未回収分は国に報告する必要がある。だが徳島市は、年度内に回収できなかった金額を報告せず、結果的に約5千万円を過大請求していた。
森本課長は「単なる事務処理ミスではなく、幹部が問題を理解しながら組織的に隠していた」と証言。これは市が3月に議会へ報告した「不適切な処理」とする説明よりも重い意味を持つ。百条委員会の設置は異例であり、市民の不信感を受け、透明性を担保するために必要とされた。
「幹部が隠していたとすれば組織的な不正だ」
「市民の税金を扱う自覚が全くない」
「生活保護を受ける人に厳しく、市には甘いのでは」
「監査で発覚しても改善しなかったのは悪質」
「市長の責任も免れない」
全国的に繰り返される生活保護費の不正
生活保護費を巡る不正や杜撰な運用は、徳島市だけの問題ではない。過去には他の自治体でも、生活保護費の返還金の処理漏れや国への報告遅延が問題視されてきた。特に財政難に直面する自治体ほど、国からの交付金に依存する傾向が強まり、不正や隠蔽につながりやすいという指摘もある。
生活保護制度は国民の最後のセーフティーネットとして重要だが、運用に不透明さが残れば「必要な人に届かなくなる」という副作用を招く。徳島市の事例は、全国の自治体にとっても会計処理の徹底や外部監査の強化を迫る警鐘となっている。
市政と信頼回復への課題
百条委員会での証言は、今後の責任追及や再発防止策の議論に直結する。市民からの信頼を回復するには、過大請求の経緯や隠蔽の有無を徹底的に明らかにし、関与した幹部の責任を明確にする必要がある。さらに、会計処理の透明性を高めるために第三者機関による監査を導入するなど、構造的な改革も求められる。
行政の信頼が失われると、市民が制度利用をためらう風潮が広がり、生活困窮者の救済に支障をきたす恐れがある。今回の過大請求問題は、単なる会計上の不備ではなく、市政運営全体に対する信頼を左右する重大な事件だ。
国民の視線と今後の行方
国にとっても、徳島市の問題は看過できない。生活保護費の不正請求が発覚すれば、他の自治体でも同様の事例がないか調査を求める動きが出る可能性がある。市民の声は厳しい。
「市役所が隠蔽するなんて信じられない」
「困っている人への支援のための制度を悪用した」
「全国でも同じことが起きているのでは」
「幹部の責任を明確にしなければ再発防止にならない」
「制度の信頼を壊した代償は大きい」
百条委員会は今後も証人尋問を続け、関与の範囲や市長を含めた幹部の責任を追及する方針だ。徳島市は信頼回復に向けて、制度改革と情報公開を徹底することが求められている。