2025-08-01 コメント投稿する ▼
高市早苗氏がポスト石破に意欲も…「過激すぎる」発言で孤立懸念 参政党との連携論に党内が困惑
参院選敗北前から“ポスト石破”に意欲表明
石破茂首相が参院選敗北後も続投を示唆する一方で、与党内では退陣が既定路線との見方が強まりつつある。そうした中で、早々に「ポスト石破」への意欲を示したのが高市早苗政調会長だ。選挙最終盤の7月18日、奈良県内での応援演説で「もう一回、党の背骨を入れ直す。そのために戦う」と語った発言は、「石破おろし」を見越した“フライング宣言”とも受け取られた。
高市氏は現在、党内の重鎮と水面下で接触を続けている。前回の総裁選で彼女を支持した麻生太郎最高顧問や西村康稔元経産相とも会談し、支援の根回しに余念がない。
しかし、党内の空気は冷ややかだ。
「前回はギリギリで推薦人20人を集めたが、今回はそのうち半数が落選しており、推薦人を再び集められるかすら怪しい」とする声もある。
国民・市民・有権者の声にも冷静な反応が多い。
「腹をくくったって…もう選挙終わる前に言う話じゃない」
「応援演説が事実上の出馬宣言ってどうなの」
「高市さんの政策は評価するけど、今の立場でやれるとは思えない」
「首相狙うなら、まず党内での信頼回復からだと思う」
「安倍さんと違って、勝てる選挙を作れてないじゃん」
少数与党では「保守カラー」も発揮困難か
仮に高市氏が首相の座を射止めたとしても、そこからが本当の試練だ。衆参ともに与党が少数となる現状では、保守色の強い政策を前面に打ち出すには困難が伴う。
実際、石破政権下では、野党・立憲民主党との協調のもと年金改革関連法案を通すなど、ある種の「超党派運営」が進められた。だが、高市氏が首相となれば、立憲などリベラル系との歩み寄りは難しいとされ、政権はより不安定になる恐れがある。
また、安倍晋三元首相のように保守政策を掲げつつも、実現には慎重だった手法と異なり、高市氏は理念を前面に押し出すスタイル。その姿勢が「過激」「極端」と受け取られ、党内の中道派から距離を置かれているのが現実だ。
「参政党と組むべき」発言に広がる波紋
高市氏周辺からは、保守層の支持を取り戻すために「参政党との連携」を示唆する声も上がっている。
前回の総裁選で高市氏の推薦人だった中村裕之元農水副大臣は、「岩盤保守層の支持を取り戻すには参政党と組むべき」との発言を一部メディアで行っている。
だがこの動きに、党内では警戒感が広がっている。
「神谷宗幣代表の過去の発言や立場を見れば、参政党と連携することは極めてリスクが高い。保守層を取り込むにしても、その相手を間違えれば政党としての信用に関わる」との声も。
「いくら少数与党の中で他党との連携が必要だとしても、参政党と組むという選択肢には引く議員が多い」とも指摘されており、高市氏の周囲が想定するほど党内の支持は得られていない。
保守の“顔”でありながら党内で孤立 打開策はあるか
高市氏の存在は、いまや保守派にとって最後の「象徴的存在」とも言える。しかし、選択的夫婦別姓への消極姿勢や靖国参拝、憲法改正への強硬姿勢などが「柔軟性のなさ」として映り、旧安倍派内からも「ちょっとついていけない」と距離を置く声があるのも事実だ。
党内では「高市カラーに染まれば野党との折衝が立ち行かなくなる」として、無難な候補を模索する声も出ている。今後、岸田文雄前首相や小泉進次郎農相など、非派閥的で調整型の人材に支持が集まる可能性もある。
参政党との連携は保守票の回収には一定の効果を持つかもしれないが、政権運営の現実や外交、安全保障、経済政策の整合性を考慮すると、実行性に乏しく「逆効果」となるリスクも否定できない。
高市早苗氏のポスト石破への意欲は明確で、政界再編や保守層再結集の起爆剤となり得るポテンシャルも持ち合わせている。しかし、現在の少数与党体制、党内での孤立、周辺からの過激な戦略、そして参政党との連携構想という“リスクの山積”により、前途は極めて不透明だ。
本人の信念と政治理念が評価される一方、現実の政局では「折り合い力」と「協調性」が必要とされる今、どこまで党内をまとめ上げられるのかが問われている。