2025-04-22 コメント投稿する ▼
高市早苗氏「岩屋外相は保守ではない」 ビザ緩和と国旗損壊罪めぐり党内対立あらわに
自民・高市早苗氏、岩屋外相の「保守性」に疑問 ビザ緩和と国旗損壊罪で対立
自民党の高市早苗前経済安全保障担当相は、2025年4月21日に配信されたインターネット番組「文化人放送局」に出演し、岩屋毅外相が中国人観光客向けの査証(ビザ)発給の緩和措置を表明したことに対し、「意味がよく分からない」と疑問を呈した。また、過去に自身が提出を目指した「国旗損壊罪」法案が岩屋氏の反対により阻止された経緯を明かし、「唯一の恨み」と述べた。
中国人観光客向けビザ緩和措置に疑問
岩屋外相は2024年12月、中国・北京で王毅外相との会談の際、中国人観光客向けに10年間有効な「数次査証」を新設すると表明した。これまでは最長5年有効であったが、今回の措置により、1回の滞在期間は最長90日間で、10年間何度でも訪日可能となる。
高市氏はこの措置について、「何回でも出入りでき、1回当たり90日間でも10年たったら色々なことができる」と懸念を示し、米国が中国共産党員に対するビザ発給制限を進めている現状を挙げ、「米国は危機感を持っている。逆行していると思う」と指摘した。
国旗損壊罪法案を巡る対立
高市氏は、刑法を改正し、日章旗を傷つける行為を処罰する「国旗損壊罪」の新設を目指していた。かつて議員立法で提出するため党内審査にかけた際、岩屋氏が「そんな法律案を出したら自民党が右傾化したと思われる」と反対し、法案提出が見送られたという。高市氏はこの経緯を振り返り、「その法律案はいまだに通せていないからそれが唯一の恨みかな」と述べた。
現行の刑法第92条では、「外国国章損壊罪」として外国の国旗等を損壊する行為が処罰対象となっているが、日本国旗に対する同様の規定は存在しない。高市氏はこの法的な不均衡を是正するため、法案提出を目指していた。
石破茂元首相の過去の発言を評価
番組では、平成22年頃に石破茂元首相が石原慎太郎東京都知事(当時)と対談した際の映像が紹介された。石破氏は尖閣諸島(沖縄県石垣市)への自衛隊配備について、「一番いい実効支配を示すことになる。総理が『それをやるんだ』とズバっといえばいいだけのことだ」と述べた。また、「中国から何を言われようと、きちんと言い返せるだけの士気と度胸を持たないといけない」と強調していた。
高市氏はこの発言について、「わが党の総裁はすごい人で、素晴らしい内閣総理大臣じゃないですか。いいことを言っている」と評価し、現在の日本の現状について「中国を刺激するからダメということでいろいろな問題が起きている」と述べた。
- 岩屋外相が中国人観光客向けに10年間有効な「数次査証」を新設すると表明。
- 高市氏はこの措置に対し、「意味がよく分からない」と疑問を呈し、米国の対応と比較して「逆行している」と指摘。
- 高市氏が提出を目指した「国旗損壊罪」法案は、岩屋氏の反対により提出が見送られた。
- 高市氏はこの経緯を「唯一の恨み」と述べ、法案の必要性を訴えた。
- 石破茂元首相の尖閣諸島への自衛隊配備に関する過去の発言を評価し、現在の日本の対中姿勢に懸念を示した。
高市氏の発言は、党内の保守派と穏健派の間での政策や理念の違いを浮き彫りにしており、今後の自民党内の議論に影響を与える可能性がある。