2026-07-01 コメント投稿する ▼
中国の「民族団結法」が施行、在日団体が「越境弾圧」と警鐘
中国で2026年7月1日に施行された「中華民族共同体意識教育実施方法」(通称:民族団結進歩促進法)が、国内の少数民族だけでなく、国外に住む人々への「越境弾圧」の法的根拠となりかねないとして、在日ウイグル、チベット、南モンゴル、香港の団体が東京都内で記者会見を開き、強く抗議しました。
施行された「民族団結進歩促進法」の概要
中国で施行された「中華民族共同体意識教育実施方法」は、表面上は「民族の団結」を促進することを目的としています。しかし、その内容は、標準中国語の普及推進や、民族の団結を損なう言動への処罰を規定しており、国内の少数民族に対する同化政策を強化するものと見られています。
この法律の施行により、民族のアイデンティティを維持することが難しくなる可能性があると指摘されています。特に、少数民族の言語や文化が抑圧されることが懸念されています。
在日団体が発表した声明
法律の施行同日、日本に住むウイグル、チベット、南モンゴル、香港出身者らで構成される団体の代表が東京都内で記者会見を実施しました。彼らは、この法律が「中国共産党による同化政策を正当化するためのもの」であり、さらに「国境を越えた弾圧に法的根拠を与える」と強く非難しました。
日本ウイグル協会のレテプ・アフメット会長は、「中国国民として生きる以外に選択肢はないと突きつける内容であり、従わない者は罪に問われかねない」と語りました。このような状況は、少数民族にとって非常に厳しいものとなるでしょう。
曖昧な定義がもたらす恐怖
この法律で特に問題視されているのは、「民族の団結に不利な言動」といった定義の極めて曖昧な点です。この曖昧さゆえに、当局による恣意的な法運用が可能になると指摘されています。レテプ氏は、「親が家庭で民族の言葉を教えることすら躊躇するようになる。自ら口を閉ざす日常こそが、この法律の真の狙いだ」と述べ、言論・表現の自由が萎縮する実態を訴えました。
さらに、「今日ここで声を上げる私たち自身が、この法律によって犯罪者とされる可能性すらある」との強い危機感も表明されました。このような状況は、少数民族の人々にとって非常に深刻な問題です。
国際社会への呼びかけ
南モンゴルクリルタイのオルホノド・ダイチン共同代表は、「『中華民族』という概念は、清朝末期に作られた政治的なスローガンに過ぎない」と法的な背景に疑問を呈しました。この法律が、海外の民族団体や人権団体、文化団体の活動をも違法とみなす可能性に言及し、「だからこそ、自由社会が連帯しなければならない」と国際社会に協力を呼びかけました。
チベットハウス・ジャパンのアリヤ・ギャルポ代表も、同政権による弾圧を正当化する試みだとし、「国際社会は強く抗議し、廃止を求めてほしい」と訴えています。
レイディー・リバティー香港のアリック・リー代表理事は、2014年の世論調査で約6割が「香港人であり、中国人ではない」と回答した事実を引用しました。香港が英国統治下で育んだ民主主義や法の支配、言論の自由といった価値観が、この新法によって脅かされることへの強い懸念が示されています。
この「民族団結進歩促進法」は、中国国内における少数民族への締め付けを強めるだけでなく、海外に住む人々の自由な言論活動や、民族としてのアイデンティティー維持の権利さえも脅かす可能性をはらんでいます。関係者は、国際社会に対し、この法律の施行がもたらす深刻な影響を注視し、断固たる対応を取るよう求めています。
まとめ
- 中国で「民族団結進歩促進法」が施行された。
- 在日団体が法的根拠の「越境弾圧」を警告。
- 曖昧な定義が言論の自由を脅かす。
- 国際社会への連帯を呼びかける声が高まっている。