2026-03-27 コメント投稿する ▼
政府、暫定予算案を閣議決定 首相こだわる「年度内成立」極めて困難
政府は27日、2026年度当初予算案が年度内に成立しない場合に備え、「つなぎ」となる暫定予算案を閣議決定しました。 高市早苗首相は当初予算案の年度内成立に強い意欲を示していますが、参議院で野党側はさらなる審議を求めており、実現は極めて困難な情勢です。 今回、政府が暫定予算案を閣議決定したのは、当初予算案の年度内成立が極めて困難と判断したためです。
暫定予算案とは
暫定予算案は、年度内に当初予算が成立しない場合に、国の財政運営を一時的に支えるために国会で可決される「つなぎ」の予算のことです。日本国憲法では、予算は4月1日までに成立しなければならないと定められていますが、議会の審議が長引き、年度内に成立しないケースも想定されます。その場合、憲法第86条の規定に基づき、4月11日を過ぎると予算は自然成立するため、それまでの間の必要最小限の経費を賄うために暫定予算が組まれます。今回、政府が暫定予算案を閣議決定したのは、当初予算案の年度内成立が極めて困難と判断したためです。これは、11年ぶりのことであり、異例の事態と言えます。
年度内成立への固執
高市早苗首相は、当初予算案の年度内成立に強いこだわりを見せています。しかし、参議院では野党側がさらなる審議を求めており、合意形成は難航しています。与党内からも、審議時間の短縮が異例であることや、政権幹部からは「恐怖政治のようだ」といった声も漏れるなど、首相の強硬姿勢に対する懸念が指摘されています。こうした状況下で、年度内成立の実現は極めて困難な情勢となっています。首相が年度内成立にこだわる背景には、政権の求心力を維持したいという思惑や、重要政策を早期に実行したいという意向があるとみられます。しかし、野党との対立が深まり、国会審議の形骸化を招くのではないかとの懸念も高まっています。
暫定予算の内容
今回閣議決定された暫定予算案の一般会計歳出総額は8.6兆円に上ります。その内訳を見ると、年金や生活保護などの社会保障関係費が2.8兆円、地方交付税交付金などが5.1兆円を占めています。これらは、国民生活の維持に不可欠な経費であり、暫定予算でも確実に措置されるべきものです。
しかし、今回の暫定予算案には、4月に開始予定の高校授業料と小学校給食の「無償化」といった新規政策の経費も盛り込まれています。本来、こうした新しい政策は、十分な審議を経て国民の理解を得た上で実施されるべきものです。それを、本来は「つなぎ」であるはずの暫定予算に計上することは、異例中の異例と言えます。政府は、国民生活に支障を生じさせないために必要だと説明していますが、国会での十分な議論を経ずに新規政策を進めようとする姿勢は、民主主義のプロセスを軽視しているのではないかという批判も免れません。
今後の見通しと課題
暫定予算案は30日に成立する見通しですが、これはあくまで4月1日から11日までの間の「つなぎ」に過ぎません。この後、当初予算案の審議がどう進むかが焦点となります。しかし、現状では、参議院での審議が長期化する可能性が高く、結局は4月11日以降の自然成立となるシナリオも十分に考えられます。そうなれば、政府が当初目指していた「年度内成立」は事実上断念され、政権の計画は大きく狂うことになります。
今回の事態は、政治の停滞と機能不全を浮き彫りにしています。首相の強いリーダーシップが求められる場面もありますが、国会は多様な意見を調整し、合意形成を図る場でもあります。一部の政策実現のために、国会審議のあり方そのものが歪められかねない状況は、深刻な問題と言えるでしょう。国民の信任を得て運営されるべき政府と国会が、本来の役割を果たせなくなっているのではないか、という危機感を抱かざるを得ません。
まとめ
- 政府は、2026年度当初予算案の年度内成立が困難と判断し、暫定予算案を閣議決定した。
- 暫定予算案の国会提出は11年ぶりであり、異例の事態である。
- 高市首相は当初予算案の年度内成立に固執しているが、野党の審議要求により実現は極めて困難な状況にある。
- 暫定予算案には、高校授業料や小学校給食の無償化といった新規政策の経費も盛り込まれており、議論を呼んでいる。
- 今回の事態は、国会審議の停滞と政治の機能不全を象徴している。