2026-03-24 コメント投稿する ▼
高市総理、政労使と賃上げ定着へ意見交換 中小企業支援策も発表
会合では、連合と経団連から今年の春闘に関する報告がなされ、高市総理は、政府として中小企業の賃上げを後押しする具体的な方針を改めて示しました。 高市総理は、春季労使交渉で示された賃上げの流れを中小・小規模企業にもつなげるため、価格転嫁と取引の適正化を徹底する方針を改めて表明しました。
春闘、賃上げ5.26%で着地
会合冒頭、連合の芳野会長は、今年の春季労使交渉における第1回集計結果として、賃上げ率が5.26%に達したことを報告しました。これは、一昨年、昨年の実績と同水準の高さとなります。また、経団連の筒井会長からは、賃上げの勢いを経済全体に定着させるため、企業が「社会的責務」として取り組んだ結果、今年も多くの企業で高い水準の賃上げ回答が見られたとの報告がありました。
高市総理は、これらの報告を受け、昨年11月に開催された政労使会議での議論を踏まえ、政府が賃上げを単に企業任せにするのではなく、継続的な賃上げが可能な環境整備を進めてきた成果であるとの認識を示しました。昨年末に閣議決定された経済対策や補正予算による支援が、事業者の賃上げ努力を後押ししてきたと分析しています。
中小企業への賃上げ波及が課題
しかし、高市総理は、こうした賃上げの勢いを大企業だけでなく、地方に広がる中小企業や小規模事業者にも波及させていくことが、今後の重要な課題であると強調しました。実際に、意見交換の場では、中小企業関係者から、厳しい経済環境の中で、賃上げが「防衛的」にならざるを得ない現状が報告されました。
また、中小企業側からは、コスト上昇分を価格に反映させる「価格転嫁」や、生産性を向上させるための支援をさらに強化する必要性が訴えられました。加えて、世界情勢、特に中東情勢の緊迫化が日本経済に与える影響への懸念も表明されました。これらの懸念に対し、政府は具体的な対策を講じる考えです。
政府、中小企業支援策を強化
高市総理は、春季労使交渉で示された賃上げの流れを中小・小規模企業にもつなげるため、価格転嫁と取引の適正化を徹底する方針を改めて表明しました。具体的には、今年1月に施行された「取引適正化法」の厳正な執行を始めとして、 tämän分野での取り組みを強化します。
さらに、中小企業・小規模事業者の「稼ぐ力」を根本から強化するための施策を進めることも明らかにしました。これには、価格転嫁・取引適正化の徹底に加え、政府による能動的な伴走支援、生産性向上や省力化に資する支援、そして事業承継やM&A(合併・買収)を円滑に進めるための環境整備などが含まれます。
財政政策の面でも、高市内閣が掲げる「責任ある積極財政」の下で、企業の予見可能性を高める取り組みを進めます。具体的には、企業が研究開発や設備投資に前向きになれるよう、複数年度にわたる予算措置や、長期的な基金を活用した政策支援を可能にします。
また、毎年、補正予算を前提とする予算編成を見直し、必要な予算は可能な限り当初予算で確保する方針へと転換します。この予算編成方針の見直しにより、企業の計画立案に必要な予見可能性を高め、安心して成長投資に取り組める環境を整備することを目指します。これらの政策を具体化するため、賃上げ環境整備のための政策をさらに充実・強化し、夏頃に「日本成長戦略」として取りまとめる計画です。
中東情勢への懸念に政府が対応
中東情勢の緊迫化による経済への影響、特に石油製品の供給不安や価格高騰への懸念に対しても、政府は迅速な対応を進めていることを説明しました。万が一、ガソリンなどの石油製品供給に支障が出た場合でも、国内に必要な量を確保できるよう、3月16日から国家備蓄石油の放出を開始しました。
さらに、3月19日からは、ガソリンだけでなく軽油、灯油、重油といった幅広い石油製品の価格上昇を抑えるための補助金制度も開始しています。加えて、ナフサやヘリウムなど、他の石油関連製品についても、中東以外の地域からの調達ルート確保に努めており、現時点ですぐに供給問題が生じる可能性は低いとの見方を示しました。
こうした中東情勢が経済に与える影響を注視し、きめ細かく対応するため、高市総理は「中東情勢に関する関係閣僚会議」を明日立ち上げることを明らかにしました。そして、政労使の各代表者に対し、物価上昇を上回る継続的な賃上げ実現に向けた協力を改めて要請し、会合を締めくくりました。