2026-03-15 コメント投稿する ▼
日米首脳会談でレアアース最低価格制度協議、中国依存脱却へ南鳥島開発も
2026年3月19日にワシントンで予定される日米首脳会談で、レアアースに関する最低価格制度の導入に向けて協議する見通しです。高市早苗首相とドナルド・トランプ大統領は、安価な中国製レアアースへの依存度を下げるため、日米欧など多国間で連携して供給網の構築を目指します。また、南鳥島沖にあるレアアースの共同開発についても議論する方向です。南鳥島近海では先月、日本政府主導の研究チームがレアアースを含む泥の採取に成功したばかりで、世界需要の数百年分に相当する埋蔵量が確認されています。中国がレアアースの精製で世界シェアの9割超を占める中、日米は経済安全保障の観点から戦略的な連携を強化します。
日米欧で最低価格制度を検討
2026年3月19日にワシントンで開催される日米首脳会談で、レアアースに関する最低価格制度の導入に向けて協議する見通しです。複数の政府関係者によると、高市早苗首相とドナルド・トランプ大統領は、各国で最低価格制度を設けるため日米で協力していくことで合意する見込みです。
最低価格制度とは、レアアースの価格が一定水準を下回った場合でも、中国以外の国での生産や調達が継続できるようにする仕組みです。これにより、中国が安価なレアアースを大量に供給して市場価格を引き下げ、他国の生産者を淘汰する戦略に対抗できます。
日米のほか欧州連合などとも多国間で連携し、中国に依存しない供給網の構築を目指します。米通商代表部が日本および欧州連合との枠組み交渉を主導してきており、今後は最低価格と関税を含む貿易協定の協議が進められる見込みです。
「最低価格制度って、結局税金で高い値段を支えるってことでしょ。国民負担増じゃん」
「中国に依存しすぎるのは危険だけど、代替手段がちゃんと機能するのか不安」
2026年1月にはG7財務相がワシントンでレアアース供給を協議し、その中で価格下限も論点となりました。3月10日には、オーストラリアのライナス社と日本豪州レアアースが改定契約を結び、ネオジムとプラセオジムを年5000トン確保し、1キログラム110米ドル約1万6000円の下限価格を設定しました。
中国が圧倒的シェアを握る現状
レアアースは電気自動車や風力発電のモーター、スマートフォン、防衛関連機器など、現代社会に不可欠な17種類の元素の総称です。世界のレアアース採掘の約7割、精製の約9割超を中国が占めています。
日本もレアアース調達の約63%を中国に依存しています。2010年の尖閣諸島問題では、中国が日本向けレアアースの輸出を規制し、日本経済に大きな打撃を与えました。その後、日本は調達先の多様化を進め、中国依存度を2010年の約90%から現在の約63%まで低下させました。
しかし、電気自動車用モーターに使用されるネオジム磁石の補助材料であるジスプロシウムやテルビウムなどの重希土類は、ほぼ100%を中国に依存しています。このため、2026年4月に中国がトランプ政権の相互関税への報復としてレアアースの輸出規制を実施した際には、スズキなど日本の自動車メーカーが一部車種の生産停止を余儀なくされました。
「またスズキのスイフトが止まったよね。レアアース問題は本当に深刻だと思う」
中国は2025年10月にレアアースの輸出管理を強化する新たな規制案を発表しました。中国産レアアースを0.1%以上含む製品を輸出する際に許可証の取得を義務付け、軍事目的が含まれる場合は原則として許可しないとしています。
南鳥島沖の開発に期待
日米首脳会談では、南鳥島沖にあるレアアースの共同開発についても協議する方向です。南鳥島近海では2026年2月、日本政府主導の研究チームが水深約6000メートルの海底からレアアースを含む泥の採取に成功しました。
南鳥島の排他的経済水域内には、世界需要の数百年分に相当する約1600万トン超のレアアースが埋蔵されていると確認されています。特に重希土類を豊富に含み、中国以外ではほとんど発見されていない高品位のレアアース資源として注目されています。
内閣府の戦略的イノベーション創造プログラムでは、2027年2月に1日あたり350トンの泥の回収能力を実証する大規模な試験を計画しています。2028年度以降の産業化を目指していますが、採掘コストや精製技術の開発など課題も残されています。
「南鳥島のレアアースで本当に中国依存から脱却できるの?コストが見合わないって話もあるけど」
ただし、採算性が低くても自国でレアアースを生産できる技術を持つこと自体に、経済安全保障上の意味があるとの見方もあります。緊急事態のための供給ルートを確保することが、経済安全保障で求められているためです。
日米首脳会談では、こうした南鳥島での取り組みについて情報共有し、共同開発の可能性を探る見通しです。トランプ政権はレアアース確保を地政学戦略の重要な柱として位置づけており、オーストラリアやカナダなど同盟国からの優先調達を志向するフレンドショアリングの動きも加速しています。
レアアースを巡る日米欧の連携強化は、中国の市場支配に対抗し、経済安全保障を確保するための重要な一歩となります。最低価格制度の導入と南鳥島開発の推進により、中国依存からの脱却が進むか注目されます。