2026-03-14 コメント投稿する ▼
日米、南鳥島レアアース共同開発で合意へ 中国依存脱却し供給網強化目指す
日米両政府は、2026年5月19日に予定される高市早苗首相とトランプ米大統領による首脳会談において、日本の南鳥島(東京都)沖合で発見されたレアアース(希土類)の共同開発を確認する方向で最終調整を進めています。 南鳥島沖の海底には、世界でも有数のレアアース埋蔵量が存在すると推定されています。
中国の輸出規制強化と日米の懸念
背景には、中国による経済的威圧への警戒感があります。中国の習近平政権は2026年1月に、軍事技術や先端技術にも転用可能な「軍民両用(デュアルユース)」品目に関する対日輸出規制を強化すると発表しました。さらに同年2月には、三菱重工業の子会社を含む日本の20社・団体を輸出規制の対象リストに追加し、これらの企業からの軍民両用品の調達を事実上禁止しました。レアアースは、スマートフォンや電気自動車、防衛装備品など、現代の産業に不可欠な重要物資であり、中国の規制強化は日本の産業界に大きな影響を与える可能性があります。
米国も同様に、中国からのレアアース輸出規制によって経済的な影響を受けてきた経緯があります。世界最大のレアアース生産国である中国は、過去にも輸出制限を通じて国際社会に影響力を行使してきました。こうした状況下で、日米両国は、レアアースをはじめとする重要鉱物のサプライチェーンにおける中国への過度な依存を見直し、安定供給体制を構築することを共通の課題として認識しています。
南鳥島レアアース開発の意義
南鳥島沖の海底には、世界でも有数のレアアース埋蔵量が存在すると推定されています。この資源を日本が独自に、あるいは米国と協力して開発できれば、中国への依存度を大幅に引き下げることが可能になります。特に、海底からの鉱物資源の採掘や、それを精製・加工する技術においては、日本は世界的に見ても高い技術力と優位性を持っています。
この南鳥島沖のレアアース開発は、単なる資源確保にとどまりません。それは、経済安全保障の観点からも極めて重要です。地政学的なリスクや中国の政策変更によって供給が不安定になりがちなレアアースを、日米で協力して確保・供給できる体制を築くことは、両国の産業基盤を安定させ、経済成長を支える上で不可欠となります。
進む日米協力の具体策
日米両国によるレアアース協力の動きは、今回が初めてではありません。高市首相とトランプ大統領は、2025年10月28日の会談でも、レアアースを含む重要鉱物の安定供給確保に向けた協力文書に署名しています。さらに高市首相は、2026年2月にラジオ番組に出演した際、南鳥島沖の資源開発について「米国にも参加してもらい、スピードアップしたい」と述べ、共同開発への強い意欲を表明していました。
今回の首脳会談では、これらのこれまでの議論を踏まえ、具体的な協力の枠組みが定められる見通しです。日米関係筋によると、日本の技術力と米国の資金力を組み合わせた協力が想定されています。具体的には、日米両国による共同出資や、日本で加工されたレアアースを米国側に販売する契約を事前に締結するなどの案が検討されている模様です。これにより、開発リスクを分散しつつ、効率的かつ迅速な事業化を目指す考えです。
今後の見通しと課題
南鳥島沖のレアアース共同開発が正式に合意されれば、世界のレアアース供給網に大きな変化をもたらす可能性があります。中国一辺倒だった供給構造に、日米という新たな選択肢が加わることで、価格の安定や供給の多様化が期待されます。これは、先端技術分野への投資を加速させたい両国にとって、大きな後押しとなるでしょう。
しかし、課題も残されています。海底からのレアアース採掘技術はまだ発展途上であり、環境への影響評価や、商業ベースでの採算性を確保するための技術開発が不可欠です。また、国際的な海洋資源開発に関するルール作りや、他の資源国との関係も考慮に入れる必要があります。今後、日米両政府がこれらの課題にどう取り組み、具体的な開発計画をどのように進めていくのか、その動向が注目されます。