2026-03-10 コメント投稿する ▼
「メシ会苦手な女」発言巡り小川氏が批判、高市首相は理解求める
この日、高市大臣は、当選したばかりの衆議院議員に対し、カタログギフトを配布したことについて説明を求められていました。 小川氏は、高市大臣の発言が、本来問われるべきだった政治家としての倫理観や金銭感覚、そして自民党に根強く残る古い体質といった問題から、国民の目をそらさせる危険性があると指摘しました。
発端は国会での答弁
2024年3月9日の衆議院予算委員会で、中道改革連合の小川淳也代表が、高市早苗経済安全保障担当大臣兼女性活躍担当大臣(当時)の発言を厳しく批判しました。問題となったのは、同年2月27日の同委員会での答弁でした。
「メシ会苦手な女」発言の経緯
この日、高市大臣は、当選したばかりの衆議院議員に対し、カタログギフトを配布したことについて説明を求められていました。小川氏が、議員との飲食を伴う親睦会(いわゆる「メシ会」)を開かず、代わりにカタログギフトを配布した理由を問うた際、高市大臣は「昭和の中小企業のおやじ、社長みたいなところがまだ私にはあるのだろう。でも、私は皆さまご承知の通りメシ会苦手な女だ。(当選した衆院議員に)何らかの気持ちは示したいという中で、ぎりぎりの判断だった」と答弁しました。
小川氏、発言を問題視
小川氏は、この答弁について「私もあの時、さすが高市首相、うまく切り抜けるな、と、つい、やられてしまった」と、一度は納得したかのように振り返りました。しかし、その夜、「もし同じ答弁を男性首相がしていたらどうなっただろう」と考え、再び疑問を抱いたといいます。
ジェンダー平等の観点からの批判
小川氏は、過去に石破茂元首相が新人議員へ10万円相当の商品券を配布した事例を引き合いに出し、「石破氏が『おれは中小企業のおやじ気分が抜けていない、おれはメシ会苦手な男だ』と仮に言ったとしたら、果たしてああいう形で収まっただろうか」と疑問を呈しました。
さらに、小川氏は「今、日本社会が男女不平等で極めて性差がある中で、(高市大臣が)女性大臣として踏ん張っておられることの大変さ、しんどさ、苦しさ、それは十分、慮らなければならない」と、女性政治家が直面する困難に理解を示しました。
その上で、「一方で、真のジェンダー平等社会は、いわゆる性別による免責があってはならないし、性別による加重責任もあってはならない。両方を否定しなければいけない」と主張しました。性別を理由に責任が免除されたり、逆に過度な負担が課されたりすることなく、誰もが公平に扱われるべきだと訴えたのです。
「本質から目をそらさせる」危険性
小川氏は、高市大臣の発言が、本来問われるべきだった政治家としての倫理観や金銭感覚、そして自民党に根強く残る古い体質といった問題から、国民の目をそらさせる危険性があると指摘しました。「おそらく首相が国際会議や国際社会で『私は○○の女だ』と言うことはないと思う。日本社会の後進性が一つ大問題だが、あのとき問われていたのは、政治家としての倫理観、金銭感覚、そして古い自民党の体質だった。それを『ナニナニの女だ』と性別・属性で回収することは、説明責任を曖昧にし、問題の本質から目をそらさせる危険性があると思う」と強く批判しました。
高市大臣、発言撤回せず
これに対し、高市大臣は「『私はナントカの女だ』と言ったのがまずいとしたら、『私はナントカの国会議員だ』と言った方がいいのだろうか。まぁ、そういうことだと思う」と応じました。そして、今後は同様の表現を用いない考えを示しました。
しかし、「私なりの言葉遣いだったから、撤回はしない。あくまでも男性であれ、女性であれ、政治家だ。主権者の代表だ。あくまでもその矜持を持って働いているつもりだ」と述べ、自身の発言の意図や立場を説明しました。
議論のポイントと今後の視点
今回の議論は、単なる言葉尻の批判にとどまらず、現代社会におけるジェンダー平等、政治家の倫理、そして公的な説明責任のあり方について、重要な問題を提起しています。
小川氏が指摘したように、性別を持ち出して説明を回避したり、問題を矮小化したりするような言説は、国民の信頼を損ないかねません。特に、政治という公的な領域においては、あらゆる属性に関わらず、公平かつ厳格な基準で判断されるべきです。
一方で、高市大臣が言及したように、日本社会には依然として根強い性差や、女性が直面する特有の困難が存在することも事実です。女性が政治の場で活躍するためには、こうした社会構造の課題を認識しつつ、それを乗り越えていく必要があります。
今回のやり取りは、政治家が自身の言葉遣いにどう向き合い、国民に対してどう説明責任を果たしていくべきか、という普遍的な問いを改めて投げかけています。ジェンダー平等を真に実現するためには、個々の発言の背景にある意図を汲み取りつつも、性別による不平等を助長するような表現には厳しく向き合う姿勢が求められます。
小川氏は最後に、「日本社会がジェンダー不平等であることが根本的な問題だが、そういう意識を持ってお勤めに当たっていただき、そのことに対しては敬意を払いながら、さまざま立場は違うが、こういう場でも相まみえさせていただきたい」と語り、対話を続けたい意向を示しました。この建設的な姿勢は、今後の政治における議論を深める上で重要となるでしょう。