高市首相、社会保険料引き下げ重要と表明、高齢者医療3割負担は「検討課題」、旧姓使用法制化にも意欲

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高市首相、社会保険料引き下げ重要と表明、高齢者医療3割負担は「検討課題」、旧姓使用法制化にも意欲

高市早苗首相の施政方針演説など政府4演説に対する各党の代表質問が2026年2月25日、衆参両院の本会議で行われました。首相は、現役世代が負担する社会保険料の引き下げは重要だとの認識を表明しました。高齢者医療の窓口負担の在り方にも触れ「避けては通れない検討課題だ」と述べました。

自民・維新連立合意「応能負担」を明記


自民党と日本維新の会は、連立政権合意書に「年齢によらない真に公平な応能負担」を盛り込んでいます。首相は「政府、与党一丸となって丁寧に検討を進めていく」と語りました。

連立政権合意書では、社会保障全体の改革を推進することで、現役世代の保険料率の上昇を止め、引き下げていくことを目指すと明記されています。2025年度中の骨子合意、2026年度の具体的制度設計・実施が明記されており、今後骨子合意に向けて協議が進むことが見込まれます。

高齢者3割負担拡大の可能性


高市政権は、物価高で赤字経営を強いられる医療機関などの支援と同時に、現役世代の社会保険料負担の軽減に取り組んできました。医療機関には、2026年度診療報酬改定で30年ぶりの高水準となる「本体部分」の引き上げで対応しました。

保険料軽減策として、市販薬に似た「OTC類似薬」の患者負担増や、高額な医療費の支払いを抑える「高額療養費制度」の負担上限引き上げを行います。

ただ、現役世代が負担減を実感できるほどの成果を挙げるには至っていません。政府は高齢者の医療・介護の自己負担引き上げも検討していますが、自民党公約は具体的な言及を控えました。連立を組む日本維新の会は医療費の年4兆円削減を掲げ、高齢者にも現役世代と同じ医療費3割負担を求めていますが、政権内で足並みがそろうか不透明です。

「社会保険料が下がるって言うけど、高齢者の負担増とセットなんじゃないの」
「年齢関係なく3割負担って、高齢者には厳しすぎる」
「現役世代の負担軽減は必要だけど、親の医療費が心配」
「保険料下がっても、別の負担が増えるなら意味ない」
「維新は4兆円削減って言うけど、具体的にどうやるの」

「高齢者から現役世代へ」加速の可能性


高市氏の政策軸の一つが現役世代・勤労者世帯の重視です。高市氏が自民党総裁選で掲げ、今後議論も進むとみられる「給付付き税額控除」は、従来の低所得者向け給付ではカバーできない現役中間層家計への家計支援を手厚くする狙いがあると考えられます。

「現役世代重視」のスタンスは高齢者向け社会保障給付の効率化と現役世代負担の軽減を掲げる日本維新の会のスタンスとの共通部分です。

専門家の分析によると、高市氏のマクロ経済政策路線は基本的に需要超過経済を続ける高圧経済です。高圧経済政策は労働需給の逼迫状態を継続させることを通じて、高生産性・賃金の企業・産業・職種への労働移動を促すことが企図されています。

ただし、この政策の方向性は労働集約的で相対的に生産性の低い医療・介護産業からの人材流出を促す側面も有しています。社会保障サービスは社会インフラであり、「生産性が低いから」という理由で淘汰されてよい産業ではありません。

旧姓通称使用の法制化に意欲


高市首相は自らが意欲を示す旧姓の通称使用の法制化に関し「婚姻などの氏の変更により、社会生活で不便や不利益を感じている人をさらに減らすことができる」と意義を強調しました。

自民党と日本維新の会の連立政権合意書は、旧姓使用の法制化法案を2026年の通常国会に提出し成立を目指すと明記しています。

高市首相は2月18日、平口洋法相と黄川田仁志男女共同参画担当相に対して、「旧氏の使用の拡大・周知を一層推し進めるとともに、旧氏の単記も可能とする基盤整備の検討を進める」と指示しました。

「旧氏の単記」は、住民票や免許証などに旧姓のみを記すことです。現行制度では戸籍上の姓との併記が必要で、旧姓のみの記載は認められていません。

夫婦別姓推進派は反発


ただし、旧姓使用法制化は夫婦同姓制度の維持が前提となるため、選択的夫婦別姓制度の導入を主張してきた立憲民主党などからは反発する声が出ています。別姓導入論は自民内にも根強く残っており、法制化までには曲折も予想されます。

選択的夫婦別姓訴訟の弁護団長、寺原真希子弁護士は高市案について3つの法的限界を指摘しています。

1つ目は、夫婦同姓制度の本質的問題が放置されることです。「改姓の強制」が残る以上、生まれ持った氏を失うことによる氏名権や人格的利益の侵害、女性に偏る改姓慣行や「女性が改姓するもの」という差別的意識が再生産されることによる平等権の侵害といった制度の根本問題は解消されません。

2つ目は、2つの公的氏名が誕生することによる混乱・弊害です。戸籍上の姓に加えて、旧姓の使用を公的に認めるならば、1人が2つの「公的な氏名」を持つことになります。これは「氏」のあり方を根底から変える「大改革」です。結果として、行政・金融機関・企業等で同一人物の確認が複雑化し、社会システムに混乱が生じる恐れがあります。

3つ目は、そもそも旧姓使用の実効性自体に限界があることです。

「国民会議」設置は総選挙後に


高市首相は、税・社会保険料の負担に苦しむ中低所得層の負担を軽減し、所得に応じて手取りを増やすため、社会保障の給付と負担のあり方を議論する超党派と有識者を交えた「国民会議」を設けると表明しています。

首相は1月19日の記者会見で「1月中の開催に向けて申入れをしてきたが、うまくいかなかった。総選挙後、可能な限り早く国民会議を立ち上げて議論を進める」と述べていました。

しかし、総選挙後の現在も、国民会議の設置時期は明らかにされていません。中道改革連合の小川淳也代表は代表質問で「飲食料品の消費税減税などに関し、なぜ国民会議で議論するのか。責任転嫁のためであれば賛同しかねる。設置に本気なら党首会談を呼びかけてほしい」と追及しました。

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2026-02-25 17:31:07(藤田)

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